ゼリー色の夏
まいにち暑いですががんばってのりきりましょう。

  • 管理人
  • 2014/07/25 (Fri) 22:00:03
ゼリー色の夏
お中元が2件
いずれも年下の人からで
ありがたく頂戴したのだが・・、
お返しはしなくてはと焦っている
ゼリーの詰め合わせを考える
発想は陳腐だがこの酷暑続きでは
ソーメンと野菜の酢のものに豚の角煮、デザートにゼリー
ゼリーは年齢不詳に半透明な肢体をくねらせて
幼児から年寄りまであらゆる年齢層を愛想よく蠱惑する
なんという色気のゼリーを口にする幸せ
琥珀色のゼリーをもらう幸せ
ゼリーを独占する幸せに少しだけ嫉妬してみたくなる。
  • 大森貝塚
  • 2014/07/26 (Sat) 02:23:11
Re: ゼリー色の夏
水族館のガラスに
頬を寄せて夏は
まもなくですという
車掌の声がひびく

アスファルトに反射して
砕けちる陽射しを
ワイヤーに通せば
ゆめが
繋がっていく気がした
遠い国のこどもと

ちゃぶ台でゼリーを食べる
青い海のなかを
泳ぐさかなたちを
模した
つめたい夜にふれ
たくない

ひとりよりふたりが
ふたりよりひとりが
よくて
コップのなかの
氷は溶けていって

海岸線に沿って
曲がっていくレールを
月あかりが照らす
夏はたぶん来ない、
だから
迎えにいくの
遠い国のこどもが
蛇口をひねるように


  • うたたね
  • 2014/07/26 (Sat) 13:52:11
ゼリー色の夏
葡萄色のゼリーのような海と空は
きっと絵のように美しい 
いいえ きっと海の ほんとうは 絵なんかでは 表わせない
憶万の色と光と影を 海と空は もっているのだろうから

けれど わたしを しあわせにするのは おおきな海と空ではないの
両手に収まる 小さく器に盛られた水平は 芸術そのもの
スプーンを そっと そのやさしみに触れた最初のひとすくいが
わたしを しあわせにするの

わたしのためだけに用意された ひとすくいのつめたい ひかり
夏へのすべての怒りが ほどけてゆく
私をほんとうに しあわせにするのは 無限なものではないの






http://moshiif.exblog.jp/
  • るるりら
  • URL
  • 2014/07/26 (Sat) 14:34:58
ゼリー色の夏
ふるえる、匙を立てる、ふるえる

きっと誰も気付かない
向かい合わせに座っているきみだって
今だって、まだ静かに
ふるふるとふるえている、鮮やかな寒天だ


夏が来れば汗をかくのだと思っていた。


せみの声がわんわんとこだまして
目を細めてしまうほどの日差しと一緒に渦を巻いている
栓を抜いた浴槽みたいに
渦巻きながら吸い込まれ、流されてゆく


何処に?何処かに。


向かい合わせには誰もいない
多分、長い間ひとりだった
密やかに温度を下げる冷房
傾きそうなテーブルには
ひとさじ欠けた懐かしい色のゼリー







  • えい
  • 2014/07/26 (Sat) 15:13:22
ゼリー色の夏
冷蔵庫の上で埃をかぶっていた紙箱を
ぱんぱんとはらって3色の粉を水に溶かしてみた
カンパリソーダ、隣の中学生がしぼってくれたオシロイバナ、
見るための飲み物が好きだ

夏の空は蒼ざめた堅牢な板にしか見えない
冷蔵庫でふるえる3つの容器の中のほんとうのそら
すきとおって向こうが見える3色のぼくのそら
空の向こうにあるのはハムだろうか胡瓜だろうか

ぼくの夏はゼリー色
ぼくの夏は氷点下10度
器壁をながれるつめたい汗

帰ってきたきみとすごす
ゼリー色の静かな夕べ
ぼくはひざをかかえる
  • Giton
  • 2014/07/26 (Sat) 18:53:26
ゼリー色の夏



およぎもせず
砂浜を歩けば
鳴き砂で
きゅきゅとなくから
踵をなぞると
クラゲがぐちゅ
赤錆色の
ゼリーの中から
霊魂が流れ
星も流れて
スプーンが
パワーもなしに
落ちた



  • れたすたれす
  • 2014/07/26 (Sat) 21:43:18
Re: ゼリー色の夏
ゼリー色の夏はもはや冬である。いくらアイボリーでも、透明の神様に町が燃やされていても、へらへらしていても、流動的に忘れていっても……。
漁火の降る日。世界でいちばん平らな場所をさがしに。ひとを憎んだり、そのさかさまだったり。
夜のカーテンの夜の隙間。季節のまなざし。頬杖ついてひと匙すくう。
  • 紅茶くん
  • 2014/07/27 (Sun) 15:36:14
ゼリー色の夏(時間外)
泣いているから
花を添えた
輪切りにしたレモンを
きみの背中にならべ
遠ざかる窓を見る
手を振りながら
だんだん滲みだしてくる夏
やわらかい瞳がかたまりはじめて
このまま
花も
レモンも
窓も
背中も
手も
うす青いゼリィのなかで浮かんだまま

もううごかなくていい
さんわりと触れて
崩れていく
瞳のなかの





  • うき
  • 2014/07/27 (Sun) 15:50:52
ゼリー色の夏(時間外)

きみとぬすんだごがつのかぜのゼリーをクマがぽろんとおってしまったスプーンのたまでやわらかくすくったらす(く)われてしまいました、夏。

  • 阿ト理恵
  • 2014/07/28 (Mon) 01:13:11

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