さそりの星
.
お題は  さそりの星  です。

よろしくお願いします!!
.

  • Giton
  • 2014/08/18 (Mon) 18:44:53
さそりの星


きみにあいたくなった

「きみってだれだよ」
「しらねぇよ」
「しなねぇのかよ」
「きみだよ」

きみのことが好きだった。

明日、晴れる保証なんてないのに
唇はあおくそまり、どれくらいあおいかって、いや、あお、じゃ、つつめないくらい、
くらい、ずっときみのことが好きだった

「きみってだれだよ」
「おれだよ」
「ぼくだよ」
「わたしだよ」
「みんなきみのことあいしてる」
「すきってことばじゃいいあらわせられないくらい」
「あいってどれくらいあい」
「しらねぇ」
「ずっとぼくのことがすきだった」



よ、よ。

  
  よよよ。



となりでしんでるみたいにねているかおを
ふらいぱんでこがしたくなったよ。








それくらいあいしてる







  • あまさら
  • 2014/08/18 (Mon) 20:59:04
さそりの星(短歌)

はずされるかいかんえるの手錠してM一錠じゃ足りないかしら


ろうそくはともすのなわはとぶものよおやすみド(エス)はねかせてね


あわよくばガードル越えたらしげみへガードレール跨げば崖っぷち


くたびれたさきにくびれた腰できあがるフラフープおはげみなさい


さそりよりさそわれました夜のはて血も涙すら皿にさらりと


  • 阿ト理恵
  • 2014/08/19 (Tue) 00:41:47
さそりの星
さそり座が何色の星々で構成されているかわたしにはわからない
なんとなく赤なきがする
たぶんみんなそうじゃないだろうか
赤は土のこと、光のこと 自由のこと
鬼の顔色 あるたぐいの花の色

匂いがわたしたちを思いださせるわけでなく
匂いに思い出を嗅ぐんだとおしえられた
みえない光の風のそのときどきに
言葉を唇からくべた
川は凍らない
月も

夜は?
ときどき凍るかもしれない
冬などにね
赤い夏というらしい
どちらにせよあなたにはかんけいないだろう
とてもとても
遠くの話さ

  • 紅茶くん
  • 2014/08/19 (Tue) 02:10:22
さそりの星
蠍座の女は星をみる

さそりの星をつなげて

でも
宇宙は凸凹だから
さそりの形になりません

だけど
うまいこと地球は
宇宙の凹凸をなくして
ペーパームーン

平面世界の出来上がり

それなのに近頃は
3Dプリンターで立体交差

気持ちの行き違い
だから蠍座の女は

孤独なさそりの毒の
星を捜している

  • ちゃむ
  • 2014/08/19 (Tue) 02:17:22
さそりの星
安子さん お茶!
安子さんはパートタイムのお手伝いさんです
お茶は魔法瓶に入れてありますから
押すだけで適量がすぐに出せます
安子さんは年齢性別不詳 これ以上詳しいことは
個人情報保護違反となりますから記せません

さそりの星からやって来たのと想像の翼を膨らませ
ふわりと浮上し漂ってからゆるやかに着地したのは
とある港町の草臥れた横丁付近
そのあたりには渡来のさそりも潜んでいるとのうわさが絶えず
時々悪がきグループが興味深々うろつきまわり突っつきまわす
騒ぎを起こすこともあり保健所は迷惑な顔しているとか
真偽のほどもわからなくなった昔話をルルノベル安子さん
小さい頭の校長も、話の種が尽きたのか安子さんを盗み見る
その支離滅裂な話の展開に熱中症の懸念があるとの校医の指摘
突如打ち切られた尻尾のない朝礼が夏の夜空を漂って
短い夜がなおさら短くなったのだと後日談に余念のない安子さん
  • 大森貝塚
  • 2014/08/19 (Tue) 06:49:34
さそりの星
光はいつの間にか溶けて赤くにじんでいた
受け止めるにはあまりにも若かった


瞬きを繰り返す
そのたびに
夢だったのではないかと
目が覚めるのではないかと
そんなことはなくて
つむった目を何度開いても
月は月だし星は星だった
時の流れとともに
少しずつ動いているのだろうけれど
よくわからない、くらい、暗い


確かに流れる赤い、甘い毒
苦しまず飲み込むには、月は
まだ若すぎた


  • ほしこ
  • 2014/08/19 (Tue) 15:28:59
さそりの星
さそりはいい虫じゃないよ
少年が立ち上がり主張する
だけれど姉さんは落ち着き払って
さそりが星になったときのお話をする

だからさそりはいい虫

空焦がす大花火
さそりは年中燃えているのに夏の星座なんだってさ
涼しい顔して本読むあいつもさそりの星のもとに生まれたくせに
本当に涼しすぎて顔が魚になっているよ
それなのに目的地はいつだって植物園じゃ
私はどこで安らげばいい?

ところが安らげないのは彼のほうで
時々は森林浴をしないともたないだなんて
ちょっと可哀想になったので
今日は大人しくお供いたしましょう

やっぱりさそりはいい虫

注:冒頭の少年と少女のお話は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」へのオマージュです
  • こうだたけみ
  • 2014/08/19 (Tue) 15:46:44

返信フォーム






プレビュー (投稿前に内容を確認)