夾竹桃
これでお願いいたします。
夏の花は鮮やかなのが多いようですが、春や秋に比べるとその数は少ないようにも感じますが、
比較的長い期間咲き続けるのも夏の花の特徴のひとつのような気がします。
蝉の鳴く酷暑にもめげずに咲き続ける夏の花の代表として夾竹桃を選びました。(毒性も半端なく強烈のようです)
以前こんな戯れ詩を書きました・・。
http://members.jcom.home.ne.jp/aoba/sanbun00.htm#santouhei

  • aoba_3k
  • 2015/08/07 (Fri) 22:36:49
夾竹桃
ポンデュガルに行ったときにも見かけたな、
と弟が言う、弟は大嘘つきだ、フランスに行ったこともないくせに、
オレアンドリンを盛られて死んでしまえ、
と僕が言うと、夾竹桃の箸が回ってきた、
どうやら俺に毒を盛る気らしい、
よっしゃ盛られてやろう、ここはガツンと一発、うう、骨が焼けるように熱い、
まるで広島の放射能のようだ、
と僕が言うと、次に瞬間には死んで、部屋を魂が漂っていた、
パチン、弟が叩いて、魂が潰れた、
弟の手の中で、泡になって、
日本でも放射能、空気水すべて、
福島放射能、今すぐやめろ、
部屋の中でクラフトワークスがかかっている、
放射能に耐えて育った夾竹桃のように、
僕は芽生え、すくすくと成長する、
アポミクシスの条件下で、
配偶体型? 胞子体型? いや白根、もとい知らね、
夾竹桃の根は黒いのだろうか、毒で真っ黒なのだろうか、
あの空のように、

(Kraftwerk Radio-activityの日本語歌詞より引用)
  • はかいし
  • MAIL
  • 2015/08/08 (Sat) 04:33:16
はかいしさんへのコメント
凄惨な状況なのになにか楽しげでコミカルです。青酸カリより強烈な毒性があるなんて知らなかったなんて、言って、放射能汚染に驚いたときのことを思い出しました。仲良くなりたいのにギクシャクしている同胞に殺された恨み、許したいけどやはり許せない根が深そうですね。
  • aoba_3k
  • 2015/08/08 (Sat) 08:30:59
(投票対象外)夾竹桃
考えたら
わたしは
夾竹桃を
見たことが
あっただろうか
夾竹桃は夏の花が先行し
後から花のイメージが付加され
がっちりと定着したようだ
わたしが夾竹桃と思っていたのは
貸家の入り口横に生えていた花木
夏になると鮮やかな白が目に染みる
枝は元気に伸びて隣家に入り込む
苦情が来るかもしれないと刈り込む
梅雨を迎える年中行事だった
今は、花木もない場所に立っているが
夏になるとあの懐かしい夾竹桃を思い出す
夾竹桃、夏を象徴するに相応しい
次々と咲き続ける
丈夫で美しい大きな白い花びら
毒があるなんて知らなかった
何度も素手で手折ったりもしたし
葉も毟ってゴミ袋に入れたりした
その懐かしい花は芙蓉だったのだ
派手な夾竹桃とはかなり趣が違うが
これも、夏を代表する花と言っても
構わないと頭の中のイメージを
スワップさせながらいつかの光景を
いつまでも眺めている
  • aoba_3k
  • 2015/08/08 (Sat) 11:56:11
夾竹桃
向日葵は首を傾げ
朝顔は明日の朝まで待てという
百日紅は毎日違う答えを用意し
時計草は眠ってしまった
酔芙蓉は思考を次第に変えて
凌霄花は此処では答えられないという
夾竹桃だけがただ毒を持って制すといった
  • かんな
  • 2015/08/08 (Sat) 14:47:02
夾竹桃
僕はキミのこと
なにもしらないだろう
ボクが君のこと何も知らないように


フランツ・カフカの変身を読んだのは高校生の時


小説は一つの比喩を膨大な言葉で囲うことによって
成立させようとするものだって


変身は図書館で廃棄処分される予定の本を引き取って読んだ

適当に変身を読もうと思った訳じゃなくて
例えば横なんとかって人の蠅はそのまま読んでも面白くなくて
蠅からニンゲンを見つめた視点っていうのが面白いんだ
みたいな事前情報を偶々読んだからだ

ということは覚えている
今はその事前情報っていう奴がなんだったのか
まるで覚えていないのだ

ただ、調節ていうのはあんなに長い癖に一つの事しか
成し遂げられないっていうことと、
あんなに長いことかかないと一つのことは成し遂げられないということ
それだけだ、
それだけ、


夾竹桃

「っていうのは桃なのかな?

「例えばこれも一つの比喩になるんだろうか

「比喩に向かっていくんだよ

「存在自体が

「彼らは強い毒を持っていて、
 今では、その多くが接木され
 クローン化した物しかないから
 中々実がつかないそうだ
 
「例えば、それを毒のなる木とかいて
  夾竹桃で隠すんだ

「それを小説の中で救済してやればいい
 
「あるいは消毒液をかけるのさ

「あるいは

「あるいは

「あるいは

「きみが木になってボクが実になろう

「あるいは 
 その実を君が齧るのだ
  • あまさら
  • 2015/08/08 (Sat) 15:43:01
夾竹桃
私は
不器用な人間ですから
夾竹桃に生まれ変わったなら
自らの毒で死んでしまうに
違いありません

咲き誇る、という言葉が
どうしても好きになれない
見ている側の私たちが何故
誇っていると決めつけるのでしょう

美しいあなた
誇っているのですか
毒を内包して生きるのは
辛くはないですか
  • 2015/08/08 (Sat) 16:54:36
夾竹桃
くるりと回すと宝物は潮の匂い、使い込まれたそれらはところどころ錆び、いっぱいあるけど違いがわからないって言うと笑う顔に歯がない、かつてキスやらクサフグやらと一緒に愛車のトランクに入れられたそれらはこれだけ左利きでも使えるんだよっても一度回されるくるり、タクシー走る道路の脇には夾竹桃が植わり、あのピンクの花には毒があるんだって知ったのは小学生だったし、なんで毒があるものを植えるのかなって不思議に思うのは今の私、ピンクなんて大嫌いだったのは昔々の私。少しずつだけれど冷静になりつつある私たち、花や枝だけでなく土にも毒があることを忘れずに、強い海風にも負けない逞しさで咲け。
  • こうだたけみ
  • 2015/08/08 (Sat) 21:44:49
夾竹桃
街路樹として普通に生えて居る
夾竹桃の花を切り取る
家に持ち帰る間に花粉が風に飛ばされて
無くなって行くのが道路に散らばり
私の痕跡と成って行く
雨が微かに降って来て
道路を湿らせる
夾竹桃の花粉は微量な粉で有り
アスファルトの粒と粒との間に出来た
隙間に入り込み
同類の仲間は
鳥の糞が微細化した
粉類であろうか
仲良く溶けて行くさまが太陽には
視界に入って来る
私の歩く様を捉えた太陽が
微細な粉の方を好んだ理由が
太陽が黄色い結果である事の
理由でもらしい事が
道路全体に嵐を呼んで来た
街路樹の夾竹桃に
水分を供給した
やはり全くの沙漠では夾竹桃は育たぬ
花だけを少し切り取っただけでは
枯れ尽くさぬにしても
  • ぎわら
  • 2015/08/08 (Sat) 22:26:16
かんなさんへのコメント
夏の花の特徴がきりりと表現していて涼しげにも感じました。
  • aoba_3k
  • 2015/08/09 (Sun) 21:24:51
愁さんへのコメント
毒をもつ悲しさ、。日頃、多少の毒を常に周囲に散らしながらそれを自覚しない身には想いつかない視線だなと思いました。
  • aoba_3k
  • 2015/08/09 (Sun) 21:30:07
こうだたけみさんへのコメント
物語の展開が明確で、夾竹桃への認識の変化を自身の成長になぞらえているようで後味が良かったです。
  • aoba_3k
  • 2015/08/09 (Sun) 21:34:19
あまさらさんへのコメント
カフカの変身の主人公は家族にも理解してもらえず、だんだん衰弱して亡くなる。身につまされる物語です。夾竹桃は、少しでも理解されるように人には美しく見えるように変身して、しかし、本来の毒は隠しようが無いので、なるべく人には害にならないように振舞う。
過負荷の主人公のような夾竹桃、それを理解して実を作らせてその実を齧る潔いほどの理解に胸を打たれます。
  • aoba_3k
  • 2015/08/09 (Sun) 21:43:49

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