即興ゴルコンダ（仮）

これでお願いいたします。

こぽこぽと零れる
滴の中のジョーク
細い目玉の奥に映る
水溜りの嘘欠片結晶

枝先に丸まる
ぼんぼりのような
柔らかい灯りが良いかな
それとも
キラキラに瞬く星にも
負けない位のランプを
自作して眺めてみようかな
アロマスティック焚いたりして
炊く必要なんてないんだよ
米粒の美しさ　知ってる
ちょっとアレを垂らすと
艶が出るんだ人間とおんなじ

面倒なジョーカーを惹け
気球が本当に飛ぶのかどうか
確かめながら進む
栞を挟まぬ読書など言語道断
きちんと時間を守って
待ち合わせには
遅れませんように
それがデートの鉄則です

★,。・::・°☆。・:＊:・°★,。・:＊:・°☆。・:＊:・°

1モルの理想を省くと
畏怖の念が湧き起こる
イケアの家具を蹴り倒す
誘惑に駆られても
本気でやって仕舞うと
出禁を食らう
笑うべき環境の中で
理想の高さが
後から後遺症の様に
追い打ちをかけるが
徹底的にくさいのだ
くさいまがい物たちの群れは
がやがやと五月蠅いだけでは無くて
1モルの理想さえ省く
不動産事務所をヤシの実で
充填して行くので
呼吸が困難だ
どうして「1モルの理想を省くと
畏怖の念」が湧き起こらないのだ
受けだけ狙うのも
止めて貰いたい

あと少しで1モルなんだけどなあと反応式を見ながら君は言う上皿天秤に載せられた質量からすると確実に1モルだろうということなのだがフリーデルクラフツ反応的には我々の魂の理想気体的には1モルでありしかしながら魂の質量は省かれているので電撃的に電撃文庫に僕の新作が載った！ カオスティックならぬカオティックなワイバーンのワイパーのゴムのように。妻との距離は分子間力程度だなと冗談を言っていたらすぐに離婚してという冗談を言って笑って笑ってははははは国家レベルで支援しなければならないという罠に嵌ったそんな可愛らしい分子間力！ 塩化セシウムの表面移動現象論の現象炉の現象、死体に会いに行く小説のように美しく儚く脆い危うさの中で僕は京都に行くと決めた。

ひ(と)かげから抜け出し、目的地は1モルの心臓。なのに勢いあまり太陽までいってしまいました。それから、そうして、ひなたにきみの人型ぬくもりが保管され、ぼくらはどうにもひなたぼっこのまま夏になりそうです。部屋の片すみにまだ白がある、ないがしろ、あるがくろ、反転しました。しまったしるしはおしまい、しるしる冬はしる「はしりましたとまりましたはしりましたとまりましたはしりましたと」よういどんのtanka tanka tanka。look look こんばんは、からくりたんかサイクロンのお時間です、と、こなごな朝が云うんです。ビック(リおとな　いん、あうと、こどもにもどっていいでしょうか

完結しない私たちから1モルの理想を省く
潔癖だった私たちの限りある星が竿にかかっている
朝、雨をなめている今日の子供たちの席が取り除かれる
あなたは厄介なことに、そんなものをなめてはいけないとかたくなに信じている
あなたがバイバイって言う儀式に囚われる夜のことを話して
省かれた理想は1モルだけだからあなたの形は崩れないまま
子供たちの口からその雨を掻き出してしまう
雨がなくなって閉じる必要のなくなった口が端から
バイバイって言う
バイバイ、バイバイ、バイバイ、バイバイ
雨が降っているね、理想的な粒子で
すべて子供たちの口からこぼれ落ちたものだったんだね
唾液みたいできれいね、垂直に夜が落ちてきれいね
1モルの雨を省かれて、みんな私の顔をしている
明日を忘れてしまえるように、わたしのために祈っておくね。

分子間力で繋がっている

僕ら
ふらふらと漂っている

溶液の中

電離して
また繋がって



ふらふらと
街をさまよっている

僕ら

繋がって
また手を開いて



空から降るのは

雨
そして紫外線

分子はあらゆる場所で
震えている

街で森で海で空で



僕らの中で

普通科文系女子にはいーらないってカガク蹴っ飛ばして地学で誤魔化す頭のなかにはどこさがしたって１モルなんかはございませんからあっさり省ける仕事の工程つけない高低あいまいな肯定わらって見せるのすらめんどくさい《がんばってるつもりの私はホントにつもりでしかなかったの》かなしいくらいにもうめんどくさい帰って寝ていていいですかってちっちゃな理想なんかもったばかりになにこれ私むくわれない

ここの盛りそばはそばの材料は良いんだけど、打ちが悪いね・・、それにこのつゆは出来合いじゃないか、溺愛する者どおしがひそひそと不満をぶつける
その不満が丁度１モルになるとお店は倒産するのだと私は思う
１モルの分子量にも１盛リ分の価格があり、ここのは高すぎると思われるとどんなに理想的なお蕎麦でも、無名のうちは人足が絶える
有名なそば評論家に依頼して評価を高める努力も必要だよと世俗の知恵が混じった途端
そばの味は悪くなる
これを１モルの理想の欠如と名付けてお蕎麦の登録商標にしたらどうかと言ったら
おまえねえ、登録するにも金がかかるんだよ、その金あるかと聞かれ、うなだれる
何年か先に、どこかの国、どこかの人に登録されているかもしれないと思うと悔しいが
蕎麦にはさほど拘らないので、気にしないことにした
しかし、掛け蕎麦を食うのが本当の蕎麦付きなのだと昔誰かに言われたような気がしているが、おいしい掛け蕎麦にはなかなかありつけないのも確かです
１食　５０００円の掛け蕎麦を売り出したら良いのではないかとおそば屋さんが読んでくださることを願い最後にもう一声
掛け蕎麦一杯の人生だ！