きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
で、よろしくお願いいたします!


  • 阿ト理恵
  • 2016/02/15 (Mon) 21:53:13
Re: きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
海辺であの子を溶かしたら潮色になった。


シャイなあの子はずるずると巻き貝の中でかくれんぼ

海の鳴き声が

時おり、貝から聴こえてくる


~~~~~~~~~~~

フードを深く被った男が

永遠に続くだろう隊道を歩いている

鳴き声が響き、どこから聴こえるのか

男はもはや出どころを探してもいなかった。

風の吹かぬ隊道で、

コツゥーン コツゥーン・・……

最も、朝から遠い所にいた。

…………………………………………


誰よりも君のことを溶かしたくなかったのに

君は自然(ひとりで)に溶けていった

春の託された雪のように

僕を夜に残して空に溶けていった。

もの思う街灯が身動きできぬままに

目の前で溶けていった


書き置きの朝の手紙

雨に濡れた犬を残していった

君のことを思うがままにうつむいた




「笑えるだろう。あの街灯。」と見知らぬ酔っぱらい

「下ばかり見て、空を向くことさえできないのだ。」

犬は今日も僕に小便をにかける。


「街灯のくせしてもっと明るく輝いたらどうなんだ。」 町長が街灯にいった。

「けれども、これが僕の精一杯なんです。僕は犬に小便を引っかけられて、自慢のメッキも剥がれてしまいました。どうか、町長さん。お願いします。せめても、メッキで僕をピカピカにしてください。夜に輝けないなら、朝に輝きたいのです。」

朝の空も知らない街灯が昼間に役にたつはずないじゃないか。だいたい、お前は夜に役にたつはずじゃないか。町長はもう話したくないといわんばかりにスタスタ歩いていってしまった。


街灯はさらにうつむいた。

僕の中にはどうやら、
顔を見せない男がいる。
そいつがいるから、
僕はいついつも、うつむいているのだろう。


嵐の夜に、強い風が吹く夜に

街灯は決心をした。

ポタポタと頭のつばから落ちる雨が

昔見た、涙のようで

少し、街灯を悲しくさせた。




翌朝、朝帰りの酔っぱらいが、
ポッキリおれて、倒れていた街灯をみつけた。


街灯は空を向いていた。
混線する意識のなか
まどろむ視界のなか

なんとまぁ、僕は役にたたない場所なんだろう

これが空というものか

夜になると、この空いっぱいに星や月が輝くのか

そんなに、輝くものがいっぱいあるのに

僕は生まれてこなきゃよかったかな


あの、男はどうしたろう。

せめて、犬をつれていけよ。

空は広いんだろう。

手紙の匂いを嗅がせたらいい……


街灯の意識はそこで途絶えてしまいました。
















  • サンバ海猫
  • 2016/02/15 (Mon) 23:04:29
Re: きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。

aoba_3kさんに1票




何処かで、笛の音が聴こえる

もの悲しく、それでいて、強い


あの音色は、きっと誰もの中で


響いている






風は、冬の冷たさを捨てきれなくて

春は、近づいたと思ったら


遠ざかる






散る

海原の

さざめく

波と波の間



君が、漂っている

チカラなくしたチカラが

漂っている





おいで、

おいで、

海に、

お帰りなさい







空は、海の悲しみを

その身に宿す


何処かで、笛の音が、


響いている






  • 猫飛ばす
  • 2016/02/15 (Mon) 23:42:29
きみを溶かしたら、たぶん空
かなしみを溶かしたら、たぶん虹色になると思う。


えみを溶かしたら、たぶん森色になると思う。


くしゃみを溶かしたら、たぶん風色になると思う。


つみを溶かしたら、たぶん花色になると思う。


ゆうやみを溶かしたら、たぶん海色になると思う。


いみを溶かしたら、たぶん雪色になると思う。


みずうみを溶かしたら、たぶん星色になると思う。


きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。






  • こはらあき
  • 2016/02/16 (Tue) 10:34:28
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
空色は青だって決めつけてしまうかもしれないけれど、ふと気づけばもう赤くなっている、なんて時もある。光が散乱された結果としての単なる色彩のグラデーションなのだと、ぼくらは豆知識として覚えていて、もしかしたらきみなんかは関連する数式の幾つかをそれとなく覚えているかもしれない。得体の知れない将軍様のロケットだとか、下町の人工衛星だとか、飛んでいく原理はおなじだとして、載せている夢はどれだけおなじなのだろうか。飛翔体はぼくらから遠ざかり、肉眼では色を散乱している粒子と区別がつかなくなってしまう。まるで遠い世界の出来事を単なるグラデーションとして捉えてしまうように。たまにあるだろう、まっすぐな道の先が電柱と電線とごちゃごちゃしたものに遮られてごちゃごちゃしていて、空を薄く塗ったような色になっていること。これはそういう消失点の話だとも言える。見えなくなってしまえば、溶けてしまったと言ってもいいはずだろうし。ところでさっきの話だけど、あれはどれだけおんなじなのだろうか。いや、答えづらかったらいいんだけど、きみがまだ近くにいるうちに聞いておければと思って。
  • たかは
  • 2016/02/16 (Tue) 12:47:06
Re: きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
乾いた絵の具みたいに凝る青をしずめて君の
抱かれた膝の爪先を洗う影の波は窓辺になびく
カーテンから落ち、僕は
食卓に冷めたベーコンエッグと見つめ合うまま午後を過ごした

((きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。))

いま、言ったら面白いだろうな、
なんて、下らないことばかり考えてしまう
固く焼きすぎた黄身の青いくすみばかり見つめて、日は傾き

「いつまでそこにいるの?」

膝から少し、顔をあげた君の腫れた瞼の
奥に、点る光が青く、熱を帯びて
濁る瞳がなにか、大きな破局を孕む
黒い卵のようで、僕はそれを割らないように
割らないように静かに、此処にいる

「あなたには感謝してるから、もう、一緒にいないほうがいいよ」

底冷えのする声はかすかに、たしかめるように弱々しく
無数の身体に刻まれた「たしかめの跡」の数だけ君は
それでも、此処にいることを選んできたのだと
僕は僕に言い聞かせる

「僕は此処にいるよ」

明るい春の陽射しのなか
黒いかなしみが沸騰する部屋のなか
服を裂かれ、皮膚を裂かれ、髪を掴まれ
石油のように燃える、あらゆる言葉が
この、素朴にすぎる言葉に降り注ぎ、
僕は雀に啄まれる稲のようになされるがまま、せめて
せめて、当たり前のようにあり続けるだろう


君がとけて、空色になるまで
窓の外に広がる景色の下、なんでもないような日に
なんでもないような事のために歩けるようになるまで
  • Cat is not UFO.
  • 2016/02/16 (Tue) 13:14:45
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
なにしろ空は広いからね
きみは限りなく透き通るよ
そしたら気まぐれに
青空にでも夕焼けにでもなればいい
そうしたら美しいきみのことを
地上の人間は限りなく
ほおっておいてくれるだろう

淡い迷彩模様が
いつまでもきみを守ってくれる

だから安心しておやすみなさい
寂しいのは
一瞬だけだから
  • 流川透明
  • 2016/02/16 (Tue) 13:27:21
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
家計簿をPDFにしたところで
パソコンのディスプレイを落とす
まつげが少し邪魔している
ついでに二月の概算も
コンビニでプリントアウトしてこよう
みぞれが肌を冷たく打つ
昨晩のセックス
きみはひどく受け身にしていた
要望なのか欲望なのかすべてなのか
喘がせたら勝ち
もうそれで今日はいいのかもしれない
指でさぐる唇ではむ
きみが処女みたいに横たわる布団
わずかに増える湿り気
それらを
思い出して溶けている
生活がせいかつとしている中で
なにか変化を求めるのは
不器用なにんげん
わたしもはやく溶けたい
  • かんな
  • 2016/02/16 (Tue) 15:55:17
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
瀬戸内の道は山の中 
ふざけたようにあそぶように
きれぎれにもぐるトンネルを 
もぐろうとする粉雪
昨日は春一番が吹いたらしい

お外は梅が咲いて おまけに
小鳥も鳴いているよ だけれど
花鳥よりも素敵なのは
ひとけのないがらんどうの家の中で
時計の秒針の音 こころが躍る

ひとから うまれたものは
どんなに ささやかでも 人のうみだしたものに
やっと ほっとするんだね

胸が軋むのは 
故郷の空が軋むのではなかった
ひとかげだけが
ほしいものだったよ

ゆきんこちゃんと
だれかがわたしを呼んだよ
なぜだか毎年 春になると消えてしまうお約束の私だよ
ほら またひとの心のトンネルを 見つけた
あの娘の胸の鼓動に寄り添い唄おう

がらんどうの家の中で丁寧に時を刻む時計のように
るぅる りぃり あのこ どこのこ りぃりるる  

  • るるりら
  • 2016/02/16 (Tue) 16:16:38
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
たしか八年前には溶かしてたチョコレイトも
甘過ぎるからちょっとね
ね、って言われて
それからやめたんだ手料理は

わたしが溶かすのはインスタントコーヒーと
一人で過ごす部屋のため息
なんて恋する乙女みたいなこと言ってみては
笑えるなあ自分ってタノしんだりする悪趣味。

洗濯機に放り込んだ洗剤が溶けて
排水溝に放り込んだ重曹が溶けて
開いた口に放り込んだ飴玉溶けて
財布に放り込んだ一万円札溶けて
出汁に放り込まれたお芋も溶けて

きみはどこへ放り込んだら溶けるの泡みたく甘く
  • こうだたけみ
  • 2016/02/16 (Tue) 20:18:28
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
絵の具を全部混ぜたら
何色になりますかと
先生が尋ねたので
暗い灰色になります
と答える代わりに
空色になりますと
自信たっぷり回答したら
×が付いてきた
僕の空はいつもどんより厚く曇り
暗いんだ、いつ雨が降ってもおかしくないくらいに
だから、僕の空色は灰色なんだけど
大学出たての先生はそんなこと知らなくて
減法混色の理論通りの答えを期待したのだ
そうに決まっていると
僕は
絵の具がもったいないから
空は地面の土を水で溶かして
塗っていたのを見ていないんだな
きっと
僕の空がライトブルーになるなんてことあるのかな
ブルースを聴きながら考えている
加法混色の脳天気な先生と結婚したと
卒業後のクラス会で知った
すべての染料を溶かすとカーキ色になるそうだ
土色で、僕の空色をもっと暗くした色だ
戦争の色だ
茶色の戦争ありましたと
中也は謡う
中国の大地は本当に茶色なのかと
進駐した親父に聞くのを忘れた僕も
脳天気な野郎なのだと
再認識した
脳天気なのは
青葉家の遺伝的資質なのさと
隣家の親父は言い放つけど
それは当たっているなと
君は思うだろう
空は灰色、僕の骨の色でもあるんだよと
中也をパクってお仕舞い。



  • aoba_3k
  • 2016/02/16 (Tue) 20:49:59
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
冬のよく晴れた日には
高架線から富士山がよく見える
周りの線はただの山々でしかない

(これは告白です
(きみはぼくの話をよく聞いて
(その内容にきちんと返事をしてくれるから

重力波はアインシュタインからの宿題だけど
それを課された覚えはない
でもその理論はよくわかる

(ぼくは元々理系だったんです
(だから数字が好きなんです
(でも小説家になりたくて文学部に入りました

結論を先に述べても
誰しもが見たり聞いたりしても
わからなければ意味がない

(教えて下さい
(どうしてこのように処分をしたのですか
(申請者は誰ですか

申し出をしなければ
何もないのと一緒である
そこに在るだけで歪む空間が証明したばかりだけど

(きみがおろした髪の
(その波間で泳いでみたい
(卵を握るようなやさしい手で

水に溶けやすい二酸化炭素が
温められて姿を現す
空気に逆らって上昇していく

(そういえばフロンガスが及ぼす
(オゾンへの影響は
(いつから騒がれなくなったっけ

一人はぐれて喫煙所に行く
その時間の流れを時計ではかる
約53秒

(ごめん
(興味があれば聞いて欲しい
(空の色は青色の波の屈折度が関係していて他の色はどこかへ吸収されているからできみが見えるのも光がきみにあたって反射しているからであって知れば知るほど知らなくなってしまうきみはきっといろいろな色を吸収する器を内包しているからきみがそこに留まってぼくの話を聞けば聞くほどきみが段々と空色になってしまうのだけれどぼくが見ているこの色をきみは確認もできないからきみはいつまでも光を吸収し続けて欲しいという告白でした
  • すずむし
  • 2016/02/16 (Tue) 20:54:00
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。
妖怪が空に溶けて
ダイハードなしぶとさを発揮する
太陽の弦を奏でる
きみは多分代言人にでも成ればよかった
君を翻弄した社会は
君を器用に自殺へと追い込む
社会に妖怪は居ないと言うのに
執拗に信じ込ませようとする
早朝の短期睡眠の目覚めは
川に畑がある様なものだ
空想は広いが実が無い
武士を立ち往生させる
社会の中の幻の妖怪は
君を自殺へと・・・
喜びを知る事に
心理を見出した
君に社会は冷たい
八つまで喜びを数え上げた所で
きみを溶かした空によって
君は空色に・・

「きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。」
と言う詩を僕は書こうと思う。(レモン)
ベニまさりというサツマイモを食べながら
尻の穴の中が大いに気に成る

  • ぎわら
  • 2016/02/16 (Tue) 21:15:55
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。(時間外投票不可)
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。

くるくるめぐるきみの瞳に春がいるから

広大な夏の積乱雲をお腹に隠しているから

さわやかな秋の晴天がきみの心を急かしているから

冷たくて暗い冬が白い雪を降らすから

きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う

赤い夕暮れ、黄色い夜明け、青白い夜の淡い月

キーから手を離す、そして考える、空に帰ればきみに会えるだろうか

きみは不意をうって現れる

きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う?
きみを溶かしたら、玉子焼きにするにきまってるじゃん
あたたかくて甘い黄色のかたまりになって、わたしとあなたのぬくもりになるよ。

きみを溶かしたら、たぶん玉子焼きになると思う。

僕が少しだけ息を吸うと
きみは少しずつ、淡くなっていく。
  • クローバー
  • 2016/02/16 (Tue) 23:59:34

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