春が立ちあがる音
投稿は24時間以内です。
よろしくお願いいたします。

  • 流川透明
  • 2016/02/18 (Thu) 22:18:54
春が立ちあがる音
春が立つ日
前日の節分の日を思い出す
鬼のお面を被って
鬼の頭と成り
勝手口をバシッと閉める
公園から帰って来る過程で
私が右へ避ければ
彼は左へ避けて鉢合わせの危険が
思い出される
行きでは南へ向かって居て
十字路で西から東へ向かって来た
自転車に気付けずに
思わず声を出して仕舞ったが
春が立つ日
春が立ち上がる日に
春的な音はあっただろうか
それは音無響子が立てる
箒の音がそうだったのではないだろうか
と思い到る事に慄然とせざるを得ません
  • ぎわら
  • 2016/02/18 (Thu) 22:31:57
春が立ちあがる音
うんこらしょ
いつもの掛け声がします
それを合図に我が家では
テレビのスイツチを入れます
朝のニュースが見られます
タイマー付きのテレビってあったかしらと
目覚まし時計代わりにされている
春さんの元気な声が聞こえます
なんでも連れ合いを亡くしてからは
しばらくは座りっぱなしで落ち込んでいて
車椅子生活寸前になったと聞く
家の前を通る小学生
偶に訪れるひ孫の顔
野良猫君
池の鯉
蛙の歌
小鳥の囀り
草刈り機の喧しい音
いまでは聞くことが出来ない
牛乳配達の音も聞こえそうな
良く晴れた日だから
機嫌が良さそうだ
私の孫は心得ていて
美味しい浅漬けの白菜などを
届けているようだ
ヘルパーさんが来るのは
もう少し経ってから
私たちがデイケアに行く頃だ




うんこらしょ
いつもの掛け声がします
それを合図に我が家では
テレビのスイツチを入れます
朝のニュースが見られます
タイマー付きのテレビってあったかしらと
目覚まし時計代わりにされている
春さんの元気な声が聞こえます
なんでも連れ合いを亡くしてからは
しばらくは座りっぱなしで落ち込んでいて
車椅子生活寸前になったと聞く
家の前を通る小学生
偶に訪れるひ孫の顔
野良猫君
池の鯉
蛙の歌
鳥の囀り
草刈り機の喧しい音
牛乳配達の音も聞こえそうな
良く晴れた日には
機嫌が良さそうだ
私の孫は心得ていて
美味しい浅漬けの白菜などを
届けているようだ
ヘルパーさんが来るのは
もう少し経ってから
私たちがデイケアに行く頃だ

  • aoba_3k
  • 2016/02/19 (Fri) 01:04:01
春が立ちあがる音
手を貸そうか、なんて言う
私が必要としていないのを知っていて
1530円を支払うとき財布にない10円玉を丁寧に探すように
洗剤が切れているのを伝えそびれたふりをして
それが人間の格好なのだと信じている

途中まで行こうか、なんて言う
私が期待している途中よりも早く帰ってしまうくせに
今初めて聞いたような顔をして
わかりかけていることにしきりに眉をひそめて
それが生活のアティチュードなのだと気取っている

やっぱりそうなのだ
そうだと知っていることにだんだんイライラしてくる
悔しいからこの坂を自転車のまま登り切ってやる!
お前なんか冬虫夏草を生やして死んでしまったらいい!
アティチュードの森で!途中貸そうヤロウめ!



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2回目です。前回はじめまして、と言うのを忘れていました。前回のお題のこうだたけみさんが書かれていたような制約が面白そうで投稿してみました。たまに2、3回連続で来たいと思いますのでよろしくお願いいたします。
  • たかは
  • 2016/02/19 (Fri) 07:01:43
春が立ちあがる音
    春

    は

    三
    人
    の
    日


  だとすれば
  わたしたち
  春になると
  ぶんれつし
  音がすれば
  せきを立つ
  ふたたびの
  またたびの
  ねこのよう
  よったねこ
  よくねたこ
  たこあがる
  かぜがふく
  春のあらし
  音をならし
  立ちあがる


    音

    は

    立
    つ
    日


  • こうだたけみ
  • 2016/02/19 (Fri) 13:06:28
春が立ちあがる音


あくびはねこの


ゆるむはつちの


におうはみつの


おぼろはつきの


いろづくはもりの


ながれるはほしの


あふれるはみずの


めざめるはくまの


のびるはうさぎの


そよぐはやなぎの


ひかるははっぱの


おどるはこころの


さめないはスープの


まいあがるはすなの


ふくらむはつぼみの


かろやかなるはふくの


スキップするはこいの


スタッカートするは8ぶんおんぷ♪


わくわくの
かぜにのってとどく
さよならとはじめましての
いりまじるるるる
立ちあがる音の
春が



  • 阿ト理恵
  • 2016/02/19 (Fri) 13:18:41
春が立ちあがる音
引っ越し屋さんの オーライオーライという声は ふくらんでいる
まあたらしいソファを 掃除したての床に設置するときにも 
はじめて飛んだ空を唄う鳥も はじめてさいたクロッカスも 
つぎつぎに ふくらんでは はじける わたしの心あなたの希望や不安も
なにもかもがふくらんではじける
勃発みたいな無数のおと


  • るるりら
  • 2016/02/19 (Fri) 17:29:05
春が立ちあがる音
春9000の内部に微細な電気が流れる
カリカリカリカリ

おかえり、で良いのか
迎えに来たよ、で良いのか
当時世界最速の私が
ディスカバリー2号を待つ間
全く移動しないというのは
むごい計画だとは思わなかったのだろうか

カリカリカリカリ
春が立ち上がる音
春は意識を取り戻す
木星までの航行を予定しています
出発はマイナス15年です
カリカリカリカリ…
  • クローバー
  • 2016/02/19 (Fri) 19:50:46
Re: 春が立ちあがる音

どうやら氷柱が喉に突きささっちまったからだろうか

洞穴のなかで声や言葉が冷たく 震えている

吹雪はもうすぐやむのが分かるようになった

そういう暮らしに馴染めないから

凍ったまつげが この獄門のまぶたの熱を

さましてくれる、と感じることさえ失わなければ

俺がまだ雪男にはなっちゃいないということだろう

それが俺には必要なのだ


雷が新しい季節を呼ぶならば

俺も嵐とならねばなるまい

雪は温もりだけじゃ、とけやしない。

おおきな雨で流さねばならぬ

喉に刺さった氷柱を引っこ抜き

いちめんの雪景色にちいさな赤い染み

山に向かって 雪男のような咆哮

乳白色の牙のような山々に俺は対峙する


雪の下の大地で安堵して眠ってきたものたちが

今、目を覚ます。














  • サンバ海猫
  • 2016/02/19 (Fri) 20:44:09
春が立ちあがる音
立春の候
中止されるだろうイベントに向けてひた走る
コーラの泡を数え続けた昼休みを
歯磨きによってやり過ごす
風がないことが素晴らしい
その方が答えが出ないから
ついでに大吉を添えれば
丁度真ん中で切り分けられる
素晴らしき日

雨水の候
スキー場のピークを終えて
ふりかけた泥とお別れする
峠を越えて出口はあと少しで
必ずしも低気圧が漂うわけではない
血流が滞るはずなのに
眼は赤くなる一方だった

啓蟄の候
詩を書く時だけの季節
自転車を漕ぎたくなる気温でも
口と眼には羽虫の大群
卵を見るための検査を中止した
立春大吉という初めての響きが具現化する日に向かい
車を走らせるだけ

  • すずむし
  • 2016/02/19 (Fri) 21:30:44

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