即興ゴルコンダ（仮）

「秋のそら帰りみち拾いものする少年のメリーバッドエンド」でお願いします。

最近、一気に秋らしい気候になってきましたね。陽が暮れるのも早くなってきました。
長めのお題を出してみたくなった今日この頃です。

グッドラックと少年は言う
秋の空を見ながら
母の拾い癖が感染して
広いものばかりする少年は
「ザ冤罪」と言う本も歩き読みしながら
ルソーの「孤独な散歩者の夢想」も読みたいと思う
中矢のプロレスの広告記事が
電柱に張ってあり
風に縁だけが動く
少年のメリーバッドエンドは
プロレスのごときものではなかろうか
と少年自身想う
嘉村礒多の小説も落ちている
この石畳で歩くことに
少年は強く意義を感じている

さよなら

を

どっかに忘れっぱなしで

鰯雲


　

空けるような青の空間
透明にも似た瞬き
ぽかりと浮かぶ綿菓子の隙間を
棒状の滴が埋める

落ちて来るのは
細く　美しい
木漏れ日のような色合いの
一本の哀しみ
メリー、貴女の忘れ形見
何時だって　抱いて眠る

眠られれば
嫌なこと　全て
忘れられるの
そう　あなたは　云った
その通りに　逝ったのよ

エンドロールに
ロックは　似合わない？
可笑しいでしょう？
次々に　溢れる涙が
何故だろう
甘いのよ

大きな木を揺らして
落ちて来る　栗のような
あなたの　透けた　髪の毛
一本だけ　抜いて
胸元の　タトゥーに入れた
だから　消えない

ハッピーエンドではない
思い出の隙間も
愛情の行方も
全て　全て
未だ
道草の
途中なのね

★,。・：：・°☆。・：*：・°★,。・：*：・°☆。・：*：・°

柿の種を跳ばす時
僕は世界のチャンピオン
次郎柿に法蓮坊
黄色く色づく初秋の朝日
俺の領分侵したね
カラスのかあちゃん
まっくろけ
白い鳩を追いかける
トンビの親子が見守った
モズがトカゲを銜えてる
乾いた身体に寒風が
つらぬくまでが秋なのね
雪が降っても困らない

さあ、行こうよ　旅のはじまりだ
どこへ
帰るんだ　きみが帰る場所はきっと、あるんだろう
もう　夕暮れだ
いつから、夕暮れだ
旅のおともに　石ころをひとつ拾った
歩きながら　一歩先へと蹴りころがして
爪先に軽く感触がはじける度に、
リズムを拾った
メロディーを拾った
うたを拾った
気まぐれな空の詩は　何かが足りない
ハーモニーにはいつ、出会う
石がひとつでは　きみに届かない
宝石色の夕陽が沈む　沈む前に帰らなくちゃ

自分がエンドロールの背景だなんて　気づきやしない
少年のときは続いているのだから
エンドロールの音楽はまだ　始まらない

空の歌を思い出しても、まだひとつ忘れている
約束　きっと大したもんじゃない約束
また遊ぼうとか　いつも通りの約束に
約束の日にまだ帰りつかない　帰りみち
ついてしまえば終わってしまう
だから、まだ、ずっと帰りみち

置き忘れたさよならを拾うための帰りみち



「小さな木の実」を思い出しながら
https://m.youtube.com/watch?v=eQ3yRX6_bSw