即興ゴルコンダ（仮）

これでお願いいたします。

候補としては、
BMW
TKK
KTR
kkk
TNT
MK5
NHK
JIS
などがありました。

自動車の扉を開けて
外に出ると
電光掲示板の十度表示は
伊達では無かった
夜中のMEWをイヤフォンで
聞きながら時計屋を探すと
エスカレーターを
小学生がついて来る
二階まで上がって
時計屋は存在しないと気付く
マクドナルドへ寄ろうと言う案もあったが
百貨店を後にして
パン屋へ行き
喫茶店に寄る
自動車の扉を開けると
寒さが半端ではない
本格的な冬の到来で
木枯らしが吹いて居た
もうイヤフォンを外して
夜明けのMEWは鳴って居なかった

１９かハタチ　その頃だったか
わたしはＭＥＷだった
世間も男も女の裏も表も知らず
素直なコをよそおっていた
えろくて優しい見ず知らずの男に
身も心も捧げた
男に「お前は変わった子だな」と言われることが
なぜか特別に思われている、と誤解したまま
それは優越感だった
仕事の合間の土曜
朝まで追いかけて、出会えたら奇跡
あのときスクリーンは温かかった
そして自分の頭の中も温かかった
心の中は
忘れた

名前を呼ばれて
捨てられた子のように
姐さんからは、ばかだな、あんな奴に、
自分を安売りするんじゃないよと
口酸っぱく言われていた
どこまでも愛想よくついていった
本当のさみしさなんてまだわからないまま
ただ自分だけを熱くさせて生きていた
ＭＥＷという名札を付けて
午前４時が来るのを待っていた
毎週男が来ようが来るまいが
幼すぎる頬を躍らせて

凛とした猫目型の光に
誘われ走る

規格通りには行かない
四方山話を束ねて

みゃあみゃあと鳴く　
屋根裏の哀しみ

晴れた空が心地良いのは
もふもふの毛があるから

雨の雫も　愛おしいのは
流れる糸の大切さを
信じているから

赤い表紙の交通標識に
ビクリとして立ち止まる

青い文字の美しい世界を
佇む途中で　考えている

★,。・：：・°☆。・：*：・°★,。・：*：・°☆。・：*：・°

何ひとつ遮るものなく冴え冴えと射すひかりは
とてもとても熱いものだと知ってはいても
想像上の熱でしかない
触れることができないのだから
冷たい　ひかりが射しているだけ
ただ　白

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南の端には陸はなく
したがって　北から東から西から
一方的に飛んでくる言葉を受信するだけ
brand-new day　brand-new time
brand-new word　ｍots blancs
他に何も無いここは　いつでも真っ新
白いひかりが射す　言葉が届く
NEWSにはならない

一つだけ残されたアンテナの拾う情報量は少ない
極限まで絞られた言葉には
風景も　声も　表情も　筆遣いすらもついて来ない
広がりゆく世界の色彩も　ぬくもりも
想像上の熱でしかない
けれど　伝えようとするように届く
太陽のように輝く　白い

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