脚を放り投げ首を傾げながら君が言った
オズの魔法使いは、結局、嘘つきだったってこと?
僕はどんな話だったのか、すぐには思い出せないふりをして
そうだったのかもしれないね
と答えた
嘘つきの魔法使いはどうして願いを叶えるなんて言われたんだろう
君は不思議そうな顔をしていた
叶えたような気分にしてくれる上手な嘘が彼の魔法なのかもしれないよ
ダメだよ、叶えてあげなきゃかわいそうでしょ
まぁでも救いのある嘘も必要さ、彼女が僕を好きと言ってくれるみたいに
と言うと
そうかなー、ずるいと思うけど、私は
赤いリボンを揺らしながら君は言った
そうかもしれないね
あなたは言わないよね
そうだね、彼女ほど嘘が上手くないからね
でも魔法は得意だよ
僕はパチンと指を鳴らし彼女に置いていかれた君の魔法を解いた
君はビーズの瞳で宙を見つめている。
- クローバー
- 2016/11/17 (Thu) 21:43:42