即興ゴルコンダ（仮）

「時をかける生姜」でお願いします。

我が家では、寒くなると生姜の消費量が増えます。
身体からあたたかくなりたい。

しぃんと溶けた風な闇の奥で
かなり肉厚なアスファルトの上を
透明に染めた氷たちの演武

シュッ　シュッ　
白い息と　張り詰めた電線の饗宴
空は蒼く　葉は焦がれ色に道満ちて

ポツン　一滴　垂れ始めた
恥晒しの霧面雑魚
能面の様な表情で頂けば美味しい？

飲み干すことも出来ぬ紅茶
さっきから同じ頁ばかりの中古本
歯車の返還出来ぬクラッチ

ハンドルは遊びの位置で居て

★,。・：：・°☆。・：*：・°★,。・：*：・°☆。・：*：・°

最初にGLAYの「Freeze My Love」を歌う
最後に五木ひろしの「山河」を歌う
時をかける生姜はふと思う
GLAYの次に歌ったポールの「マイ・ラヴ」は
Warを唸っているようだった
時をかける生姜はふと思う
「生姜」は秋の季語だが
冬に消費量が増える
時をかける生姜は
「Over And Over Again」だけは
歌えなかったなと思った

　ゆらゆらと船をこぐ
　まどろみの素は行方も知らず
　ただよい
　欲しいのはショウガオール
　ジンガロールに非ず
　熱が要る
　ロールプレイよりこぎ出でよ
　巻き戻しは生姜の香りと共に
　時をかけて季節を戻す
　茶碗の中に小春日和を連れてくる
　生姜ご飯が炊けていく
　過去のおろし生姜と
　未来の針生姜
　あたりゴマ
　合わさり混ざる
　伝来の冬のスペシャリテ
　竃の飯まで逆戻りはできないが
　温もるには変わりない
　香る
　ただよう