ねえ ちょっと
名前も呼ばない
老年夫婦みたいだねって
笑い合う
少しずつ 艶を失くして
土色に 近付いて行く肌を
更に 青白く照らすのは
数々の イルミネーション
もうすぐ クリスマス
電飾で描かれた文字
煌めきで 眠れぬベランダ
カサコソと舞い踊る葉も
見えない暗い道を
ゆっくりと走るタイヤの
軌跡だけが 見当たらない
雪が消してしまったのだ
ねえ ちょっと
言いかけた唇が
ピリリと裂ける
それから避けるように
言いかけた台詞と
あなたの横顔を
交互に見やる
ふう
溜息とも
爽やかな吐息とも
似つかぬような
空からの贈り物
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- 藤鈴呼
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- 2016/12/19 (Mon) 00:18:07