冷気が入り込む
罅割れた窓の隙間から
鼠が顔を出して居る
射るような瞳で
こちらを見やる
かどうかは解らぬ程に
闇は深く
前後不覚
此方側からピリリ
山椒の利いた鰻みたい
未だ夏には程遠い
寧ろ今日は冬至でしたと
独り言
血生臭い話は御免だ
紅い蝶の飾られた
透明の幾つもの窓が
蒼く光る
其れは テールランプの瞬きにも似て
詰めが甘いのです
煎じて飲む茶葉も
今は乾燥しているから
指が指が指が痛い
もうこれ以上
剥けない程の甘皮が
小さく 遠く
剥がれて往く
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- 藤鈴呼
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- 2016/12/22 (Thu) 00:25:01