柊の髪、背の太刀、ほそぼそとしたか細い指、ひとつ目の罅
雷鳥はゆきはらに立つ。春は近づく。まだ遠く。白く静かに
たちわかれに因幡のうさぎもなくと聞く。冬の海ばら、松ばやし
狂いだす歌を、踊りだす歌を、足はとけ、腕くさる、喉のない
久方ぶりの光が雲間から灰色の草原に突き刺さり
雷鳴は遠く遠くに。詩を好むものたちはいつも近づかない
草は靡き、遠雷に怯え、風もないのに雨もないのに何も
ひたむきなあなたが引きずっていった跡が此方からあなたまで
落石があった。誰かが死んだ。事故があった。誰かが歌っていた
カシュガルで道をたずねると方角を示された。どこを? 真上を
中洲を切り離してこれを船とする。船頭がいればこれを蹴る
犬をしたがえこれをキャラバンとする。デュラハンもいるものとする
かかることを、かく語りたいデミたちは、ハーフカメラを携え散歩
長い影、凍える潮騒の夜明け、蓋をあければあふれだす仮名
をぐらい景色はやがて去りゆく。見開けば、否、見晴かせば、否、
- みずけー
- 2017/02/07 (Tue) 19:32:47