生、
「交差点がいくつもあるみたいやんけ、とか思うけど、平凡に生きてる限りは、そんなもん、きっと、あるわけなくなくないんじゃないかな。」
とかなんとか、そう、過子はまるで、そこら辺にいるような女の子だった。煙草を吸いながらバスを待つ老婆の脇を通りすぎる。過子は良く誤変換されることで弄られていた。それでもからっ風に吹かれるように、寂れた公園のブランコを漕いでいる。過子の隣に座って見ていると、星が光り始める。1日がこうして終わってしまう、と思った時に1日が終わる。やがて、コンビニ弁当でご飯をすませる。透明になったバターを付けてパンの耳ももしゃもしゃする。ちょっとだけ高級なコーヒーの香りを嗅ぐために身をやつす。徹夜でバイトする。パンズに具を詰め込み慣れた手付きで包装紙に丸め込む。
帰りにサラダを買う。色彩が街を彩る。その隙間にひそむ朝焼けが、レタスを焦がしパプリカの赤色を粉々にしてフォークに突き刺して食べる。ゴマだれをかけて僕らは、僕らは目を合わせて、1日の疲れを取りだめしたおとといのバラエティー番組で洗い流して、そして誰も笑わなくなった昼前に布団の中に潜り込んで寝た。ゴミを出し忘れて蝿がむくむくと起き上がってくる。
- あまさら
- 2017/04/09 (Sun) 17:25:20