月の町
でお願いいたします。
皆様 いろんな気持ち、読めたら幸いです。


  • AB
  • 2017/04/21 (Fri) 21:44:17
月の町
##夜にしか見つからない他人の光で映える町#かたときも話さない電話機能の付いた箱#もしもしともしもしがつながりそうでつながらない#ツーツーツーツーツーツー寝たふりしたあの娘の吐息#ガチャンって切れるのは糸が付いていた頃のタイプ#意図がついて回ってる捩れては戻らないあのコード#おかけになった番号は現在も使用されていますか#始まりと終わりにはシャープを二回またいつか##
  • こうだたけみ
  • 2017/04/21 (Fri) 22:33:15
Re: 月の町
君が隣で飲んでたお酒に突っ込みながら夜を明かす、日暮れから荒野が駆けてきて何もなくなる朝に、私が訪れる朝に、昼上がりから石鹸の香りがした空に、何もなくなって
何もなくなった、コーラに祈りを、捧げて、空っぽの空き缶に、涙を、阿弥陀如来を、祝福する、コーラがぶ飲みの後で、ジントニックを、名前を忘れた頃に、コーラを飲んでた、うそ、あんな甘いもんなんとか、なんだが、思ってるうちにチェイサー、で誤魔化して、隣で笑っている君は、石鹸、肌に馴染むくらいに連想する、君はダイエットが得意なんだねって、何も言わなくなる、ように会話に満足して、一瞬、転がった氷に、水が満足する、新宿、ゴールデン街、月の見えない街で。
  • あまさら
  • 2017/04/22 (Sat) 01:34:25
月の町
忘れられた太陽は
もうどこにもいないから
思い出してはいけません
光というのは夜の中にもあるのです

暗いから
よく見えません
よく見えないから
もっと近づかなくてはいけません

そんなに側に来ないで
そう思っても 
ここは月の町

もっと側に来て そう思っても
ここに 
月の席を空けておかなくちゃね
  • 待子あかね
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  • 2017/04/22 (Sat) 19:22:24
月の町
バサラ大名を従えて
尾を探す
カラーに付いた垢に
死の匂い
加賀百万石の
俊敏さに
ワット単位が伴う
ワヒドの居る
インドネシアに
特殊部隊を送り込み
民族の分断を願う
月の町があった
サマーの暑さに
致死者続出の町に
ワイルドな口が物を言う
私の鹿が超特急で
やって来て叱られた
私はウーバーワールドを聞きながら
呼吸を整えた
  • ぎわら
  • 2017/04/22 (Sat) 19:27:26
Re: 月の町(締め切り後投稿のため投票外)
月の町には丸い月のしずかなあかりが射していて、住むのは齢三十をこえた少女ばかりだ。

つねに満月夜、手入れのゆきとどかぬぼろぼろの町並み、つかずはなれずに点在する住居は、彼女たちのそれぞれのこだわりを反映して、本の、ぬいぐるみの、ロザリオの、愛らしい服のあふれたへやべや。
ひかる虫をおびきよせるにおいをしみこませた布切れが月の町どおりにも部屋の中にもあふれるようにおいてあって、そのにおいのもとは彼女たちの唾液だ。

そうして町角のそこここに鏡があり、月あかりと虫あかりと彼女たちの白い肌を無限に反射し、月の町にはしずかな狂気がみちている。彼女たちはものを食べない、食べれば吐くので壁に浮く白い塩をすこし舐める。そうして喉の渇きがひどいので町の真ん中にあふれる噴水に直接口をつけて腹がふくれるまで飲む。時たまのごちそうはバケツにためた季節の甘い雨水だ。
太陽にあたらずむだな栄養をとらなかった結果、年齢のあらわれやすい首元さえどこまでもなめらかで、年をあてることは難しい。ただ、あの少女は月の町に入ったときから、同じ姿でもう数十年いる、と、遠くの町の監視塔から月の町をのぞく監視人が胸につぶやくのだ。

彼女たちはおのおのすぐれた能力をもっていて、月の町に出される手紙にこたえることで外の世界とつながっている。町の住人になりたいと手紙で乞う、ほかの町のほんとうの少女たちに、

《きっとあなたをそちらで愛してくれるだれかが見つかるでしょう》《からだがあつくて不眠なのなら薄荷の葉をすこし浮かべたお風呂にはいりなさい》《おとうさんとおかあさんのことはもう他人だと思いなさい、ふれるたび燃えるのはあなたです》

などとこたえて、ほんとうの少女たちが月の町におちることをとめている。
それゆえ月の町の彼女たちは、ほかの町の住人のおとなたちに貴重とされた、矛盾の存在だ。

息のしづらい外の世界のほんとうの少女たちにとって、うわさにきく月の町は静寂と平和に満ちたあこがれの世界だ。たしかに一見まぼろしのように美しい町だ。無遠慮な男編集者によって、ときおり少女雑誌や少女小説に、少女のゆくすえの町として絵入りで紹介されるほどには。

しかし、実際に月の町に住まう彼女たちに聞くと、来たいと願うことはあまりなかったのに、気づいたらここにいて、出られなさに命を断った町人たちも多い、とほほ笑みながらいう、そのほほ笑みはほんとうに無垢だが、どこかおそろしい。

化け物そして精神異常者の女の町ときいて、淡い幻想を抱いて好奇心でやってきた男たちもいる。

《こころに傷を負った妖精さんをささえたいのです、そうしてぼくを受け入れてください》《あたしもほんとうはこの町に住む資格があるんだわ、性器を切除さえすれば》《いままで病気の女の人をたすけてまいりました、そういう人なしに俺もいられない》

その男たちもまたじっさいのところ、精神の奥底の部分に奇形を抱いているのだが、

《もしかするとやっとわたしたちを理解してくれる男があらわれたかもしれないわ》

と、はじめ熱狂的に彼女たちに受け入れられる。

だが、長く彼女たちといられた男はいなかった。まず、食事ともいえぬ食事に閉口し、微笑みをたやさぬ口元に隠されている彼女たちのにえたぎるようななまなましい感情に落胆した。
じっさいのところ彼女たちはみな、みためより、そして心の奥底の弱い男よりも、たくましかった。怒ることも、笑うことも、月あかりの下で狂気のようにながかった。なにしろ月の町にながくとらわれ、友を失い、この世のあらゆる傷を手紙で知りながら、生きているのだから。

《妖精さんがぼくのものを受け入れてくれない》《あたしのこと結局は男だと思っているんだわね》《病気の女の人はけっきょく自分がいちばんなんだな》

そんなぼやきを聞くと、たちまち彼女たちの心は、窓をつたう雨粒がほかの雨粒を飲みこんで大きくなるようにまとまった。それぞれにこだわりがはげしく、ときに仲たがいをすることも多い彼女たちだが、こういったときだけは自分が他の少女で、他の少女が自分なのだった。

《性欲異常者》《オカマのオッサン》《そういうあなたも病気よ》

扇で口元を隠しながら、気の毒そうにくすくすと笑う。笑い声はこだまして大きくなり、笑い声にふくまれる唾液が香をましてひかる虫をあつめ、空の雲をはらって月はよりいっそう光った。

あらゆる町角に男たちの姿が鏡にみすぼらしくうつしだされた。月の町に入ったばかりのときは、彼女たちの幻想に化粧されて王子のように美しくなっていた姿が、昔より老いてより醜い姿になったのをみて、わけのわからぬ恥に震えて彼女たちに手をあげた。

《ぼくのイメージがこわれた》《メンヘラたちめ》《こんなにもしてやったのにどうしてくれる》
《化けの皮をはがしてやった!!》

彼女たちは悲鳴のような歓声をあげる。

《もうこんな町はうんざりだ、といたところに帰ってやる》
《どうぞ、どうぞ》

遠くの町の監視塔から月の町をこっそりとのぞいていた監視人が、驚いて声をあげてただちに月の町の門扉へと取締官を派遣した。

《きたならしい男がすごい形相で手をあげていて、月の町の少女たちがおびえているようです》

じっさいは彼女たちがみてきたものはもっとおそろしいもので、男たちが変貌することやそれにすこし恐怖することなど彼女たちのうちには娯楽のひとつだった。ひとりではない、硝子窓を流れるとうとうの洪水の彼女たちが、友を失うことのほかになにを恐れることがあろう。男たちは取締官が到着するちょうどよいころに、月の町から少女たちに放り出され、捕縛されてうめき声をあげた。

月の町のそんな色恋沙汰を食って、空にうかぶ大きく冷たい石ころの私は、今日も白く肥えて大きく光ることができる。私に照らされた、ほんとうに無邪気な少女と思いあがった男こそ、月の町のあたらしい住人にふさわしい。

//はじめて投稿いたします。おそらく昨日に締め切りだと思うんですが、こちらのタイトルをみて一気に書いてしまいました。不適切であれば削除いたしますので、お申し付けくださいね。
  • たなかしゅうこ
  • 2017/04/23 (Sun) 20:33:53
たなかさん ありがとうございます。
一行目
からいいです。

あとでまた、じっくり読みます。


下、

月の町ではなく
だいぶ前に書いた「月の村」ですが、なんかつながりそうと感じました。

-------------

月の村


凸凹配位座はいつでも漂っていて
なにかの拍子に
繋ぎ合っている手のひらの合間にもある
ついさっきまで当たり前のことが
風ひとつ吹いただけで
何ひとつ理解できなかったり
その道理に畏れたり
わかっているふりをしながら
何ひとつわかってはいないのだろうけど
当たり前のように


田植えのすっかり終わった頃
いくつもの大きな鯉のぼりが風に吹かれ
子供の日を学校やテレビで教わった子は
指をさして不思議がる
月の暦では今からなんだ
五月晴れなんてのは今からなんだ
もしかしたら
細胞のひとつひとつに繋がっているかもしれないというのに
凸凹配位座がどこかですり抜けたんじゃないか

それでも


スクは
陰暦の六月朔前後に浜に打ち寄せられる
まだ一度も藻を食んだことのない稚魚でなければ
お腹の色が黒ずんでしまっては
いいスクガラスができない
日頃公務員をしている男でさえも
何日も前から目の細かいスク網作りをしながら
朔を待つ
銀色に輝くスクが美しいのは
まだ一度も藻を食んだことがないためだろうか
律儀にも月の朔に打ち寄せられるからなのか
とにかく光る波打ち際で
男達は嬉々とする


あじずしが浜町出店に並ぶ頃
親っ様の漬けた馴れずしがふるまわれ
キリコの灯が浜町をねり歩く頃
虫送りの火が畦道をねり歩く
やがて日が沈む頃
月が出るのを待っている
廃線脇で
次の電車と月が出るの待っている
虫の声と踏切りの音は
いつまでも
凸凹配位座で鳴り続けている



  
まだ当たり前のように
季節には穀物が実り、スクが浜に、人に感情が
まだ当たり前のように
月は空に

そんなにありふれてもらっても困るのだけれど

目を閉じた世界では
凸凹配位座はいつまでも漂っていて
地球のちぎれた塊でしかない月との合間にも
繋ぎ合った手のひらの合間にもある
そしてまだ当たり前のように
僕らの細胞のひとつひとつにすべりこんだりもする


    
  • AB
  • 2017/04/23 (Sun) 21:21:11

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