即興ゴルコンダ（仮）

です。
由来はないです。たんに浮かんで、なぜか合格しました。

きらくにどうぞ。

トイレの鍵は重かった
ダーツはあまりに
母を活性化させたので
ダーツの描写は
ここらで止めておこうと思う
母は南を向き過ぎた
トイレの鍵は重くて
ずっしりと木の扉に
刺さる
公園に野球部員が
結構来ていたので
多分喫茶店と勘違いして居たのだと
思っておくことにした
ずっしりと重いトイレの鍵は
木の扉を開けて
即ちトイレの扉が開いた
小用を足すのに
多少の緊張は止むを得ないのだと思う

鍵はかけているだろうからノックはしない
ノックをしないで扉を開く
そんなことがあっても声や顔は見ない
わたしはわたしの気配を消すだけよ

ここは締まりにくい
故障していたのかしら
知らなかった
いいえ 知っていたかしら

ひとりきりの場所
誰にも見せない場所
そんな油断があったかしらん

長居はできない場所
誰にも見せない場所
ひとりきりではないところ

暗がりに恋情を隠す
心音が落ちてゆく
水の階段を登り下り
君の肌の質感に流され
簡素な語彙に抗えない
私の内部の熱源に点される
愛にも似たようなもの
鍵はそのままにして
綺麗事が流されないように