メロン食べているのにメロンパンの方がおいしいのに
なにもない王国から一通の手紙が届いた
フランスパンは硬さが命なのかもしれないし、
実はまろみがあった方がいいのかもしれない
滅茶苦茶に切り刻んだスクリーントーンが
わたしの部屋にデタラメなかげもようをつくってはあそびつくってはあそび
おもちゃあそびをしながら
ねんどをこねているわたしの手のにおいが
メロンで錯覚する
午後3時のおやつ
ベトベトで砂糖臭くなったその手で
何かこねている垢まみれのパンを
父親にそっとあげて
どうだった?
って、
(クッキーを乗せた生焼きのクッキーみたいな所がリアルでしょってね
昔のわたしにはわらかない理屈みたいなものが
そこには乗っかっている事とか)
味を確かめる
父親の心はわからない
なんとなく不幸が訪れたような
色をしている空
曇いろの向こうから知らせが届いた
身支度を整えて家を出る
夕方にバスに乗り
慣れ親しんだ景色に寄り添うように
なんとなく小さな頃の思い出を
思い出すように身を
窓に傾けた
雨が降ってくる
- あまさら
- 2017/05/02 (Tue) 17:52:44