遠い日の透かし雨
再度のお題出しです。
「遠い日の透かし雨」でお願いします。

  • 2017/06/15 (Thu) 21:14:18
遠い日の透かし雨(投票対象外)
ベランダ越しに道が湿っているのが見えた
雨が降っているのか降っていたのか曖昧な
朝なのか午後なのかも曖昧な空は
僕の心まで曖昧にする

全身がほんのりと怠いが熱は高くなさそうだ
体力が落ちているからこそ動くべきかと
億劫ながらサッシを開けて空気を入れた
湿って冷たいぐらいの空気が心地よい
からりとしていたらかえって辛かったかもしれない
元気を出すことを強要するような太陽は
多分まだ僕を責め立てただろうから

傘を差す通行人が雨降りを知らせ
と思う間に雨音が聞こえ始める
雨だなと分かりきったことを呟いて
顔を洗いにいく
水の冷たさにようやく生きた心地がして
インスタントのスープに湯を注ぐ程度の力が湧いた

強まる雨音は部屋の静けさを強めて
雨が吹き込む前に急いでサッシを閉める
換気はもう十分だ

もう十分だ
もう終わりにしよう
もう

世界をぼやけさせる雨の向こうに
様々な場面がまざり合って同じ台詞を言う
その言葉だけが強く
強く鮮明で
強く雨が地を打つ

どこからやり直せば消えるだろう
あの雨の日の言葉は
湿った冷たい空気が言わせたのだとしても
あの日が晴れていても
雨はいつか必ず降る
そんなことは分かりきっているはずなのに

こんな日には雨の向こうに
まだ
遠い日が重なる

まだ雨脚は強いけれど
そこのコンビニまででもいいから外に出よう
一歩進む度にひと混ぜ
溶け残りがないように
透明になっていくから

今日ぐらいはあの日の雨に沈んでいたい
通りすがりの咲き始めの紫陽花に
許しを乞いながら
また
一歩足を踏み出した
  • 2017/06/16 (Fri) 08:53:12
遠い日の透かし雨(投票対象外です)
十代の恋は幼く
大人びた香りがした
あの夏の日暮れの
夜が落ちてくる手前の街を
指を絡めて歩いた
あなたの指は
ほそくしっとりとして
引かれるまま道を歩く
足取りはひどくゆっくりで
予報通りの小雨がぱらつくと
大きな黒い傘に
あなたとわたしが収まり
ひとあし早い夜が来た
幼い恋が雨が呼ぶ
見透かされたおもいが
ふたりの足元で水たまる
あの日のあの雨の
滴るしずくを一滴だけ
珈琲に入れて飲む
わたしがひとり
  • かんな
  • 2017/06/16 (Fri) 21:15:31
白さんへ
再度のお題出しお疲れ様でした。
ぎりぎり間に合わず申し訳ないです。
まだ期間はあるはずですので(一週間以内?)
再々度になりますがお題をお待ちしています。
  • かんな
  • 2017/06/16 (Fri) 21:22:07
ありがとうございます。
こちらを見る前に、投票蘭の方に書き込みをしてすれ違いになりました。
あくまで私が出すべきだということでしたら、どうにか出してみます。
  • 2017/06/16 (Fri) 21:33:01

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