即興ゴルコンダ（仮）

よろしくお願いします！

君がいう
髪のびたねと
風がなびいて
会えない日々を梳かしていく

君は遠い季節に
住んでいて
いつも変化に遅れて気づく

この夏
君が気づく頃
私は黒髪を
ばっさり切って
君のいない季節を歩く

さようなら
を切り落とし
ありがとう
に染め上げて

　　　　　四角い
　　　　フォルムを
　　　　くずしたい
　　　　　だけど
　　　　その方法が
　　　　わからない
　　　　◻︎だから◻︎
　　　◻︎◻︎◻︎か◻︎◻︎◻︎
　　　◻︎いぎょうを◻︎
　　◻︎なしとげるのさ◻︎
◻︎尖れる梨の実りよ豊かに◻︎
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
ア◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎水の豊かな豊水
カ◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎水が幸呼ぶ幸水
ナ◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎新しい水の新水
シ◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎南うまれの南水
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎なんちゃって
ア◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎にじっせいき
オ◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎二十世紀
ナ◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎にじっせいき
シ◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎二十一世紀
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
青梨を剥きながら◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
二カ月先の長寿を願う◻︎◻︎◻︎
オーナメントを転がして◻︎◻︎
五カ月先のクルシミ思う◻︎◻︎
髪のびたね、タモさん語の◻︎
反対語は三月で巡りくる◻︎◻︎
オロナミンCの一輪挿しって
生が透けて見えてとてもいい

おはようとか
おつかれとか
いつでもだれでも言えることでさえも
言えなくなっていて
昼休みにひとり机に伏す
その間に入る人は
不思議な咳ばらいをして
すぐに去った
席に戻る前に
どんなに外が暑くても
一服して気合いを入れる
さて
電話が鳴れば
精一杯受け答えさせていただくが
しんどい時は
できるだけ乱暴に
あたかも
それが自明の理であるかのように
とってつけたかのような
お世話になります
と
失礼いたします
でやり過ごしていれば
人が動く
できるだけ
僕は動かないようにして
そして
印象を上げるための高音の声で
すれ違うきみに
いつでもだれでも言える
あ、髪きったんだね
なんて言うか
僕は違うよって
精一杯振り絞って
何とか話したくて
言うよ

髪のびたね