カステラと亡国

 カステラの王国、っていうお題をずっとだそうと思ってたのですが、滅んでしまった方が面白いかもしれないと思いました。
 
 もし宜しければ書いていって頂けるとありがたいです。
 

  • あまさら
  • 2017/08/04 (Fri) 22:30:39
カステラと亡国
その木は、ただそこに在り続けただけなのだろうけれど
飛行機に乗り車を走らせ坂道と石段を登って見に行きたかった
その為に時間を作り、だから、それはその為だけの時間だったけれど
待ち構えていたかのように、長崎は雨だった
傘を差さずに、葉を打つ音を聴きながら
祈りたかった
その木は、ただそこに居続けただけなのだろうけれど
天からの火にも人為の火にも耐えた木ならば
きっと意味はあるだろうと
ただ、静かな境内でその木の謂れの古びた看板を眺めて
私は何をしたかったのだろうか
何を期待していたのか
携帯電話の鳴る音に、祈る時間すら奪われて
空港でカステラを買う
故郷への飛行機はない
カステラは私には甘すぎるけれど
試食をする時間ばかりは頼まなくても与えられて
じっくりと味わえばじっくりと甘さが沁みてくる
帰ったら、手土産にカステラをと思っていたけれど
あなたはもう、待っていないのだろう
その国はもう、亡びてしまった。
  • 2017/08/05 (Sat) 11:10:24
カステラと亡国
子供のころ
「カステラ」と言えなくて
「カッテラ」と言っていた
それを矯正しなかったのは
親の責任だ

中学生のとき
なにかの拍子に
「カッテラ」と言ってしまって
ウワサが広がって
見も知らない男子まで
あたしを見に教室にやって来た

その中でもとりわけ
しつこかった一人は
東京大学に進学して
ナントカ省の高級役人をしている
「買ってら なんて 何買うたん?」
今でも覚えてるセリフ

ああいうやつが
国を亡ぼすんだろうな
  • 藤原絵理子
  • URL
  • 2017/08/05 (Sat) 19:00:00
カステラと亡国
座りのいい文字数の上に十四年近く胡座かいてると運動不足になるんだって知っていた?夏風邪は三週間と丸一日いすわっては体力を根こそぎうばっていったの凪いだ身体かつてカステラは結核の療養に用いられたとかとかそんなことぼんやりWiki見て知ったつもりになる知ったかぶりの猫っかぶりの久方ぶりの外気は暑いかいてやんでい江戸川の花火なら縦半分から右しか見えなかった位置的に死角サイアク死にかけたら頼るつもりだった人は同じ日に死にかけていてバイオリズムが同じすぎると一緒にいたら全滅すんじゃないかななんてもう先のないおとぎ話のつづきを考えているのはバカみたいですねデスヨネならばいっそ滅んじまえよカステラ王国あたしいまからローソン行ってカステラ買います亡命にも体力は必要不可欠なので可及的速やかに。
  • こうだたけみ
  • 2017/08/05 (Sat) 21:48:35
カステラと亡国
長崎でカステラを食べると
毒の味がして亡国を意識させられた
銀次の吹くフルートに誘われて
外に誘い出されて
カステラを捨てると
ラサール石井もカステラを食べて居た
石井さんカステラを捨てないと
そのカステラは毒です
直ぐ食べるのを止めなさいと勧告した
トトビッグを買って気を晴らす
島へ上陸して気を晴らす
苦を散らす
妖気に疎い我だから
結局うとうとし始めた

  • ぎわら
  • 2017/08/05 (Sat) 22:23:56
カステラと亡国(短歌投票対象外)
いちめんがやけのはらだね カステラの底で遺骨になるザラメ糖


夏のあのうすいふとん、と水銀灯、と君のこぼしたスリープトーク


嗅いだとき鼻に残る感じ?が、涙に似てる気がする。 薔薇の花束


立喰いの蕎麦屋で告げる「うどんで」で始まる今日の私のこえよ

  • さわ田マヨネ
  • 2017/08/06 (Sun) 07:58:57

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