内臓が溶岩になって溶けていっちゃうのを
必死にどうにかとめようと
手を差し伸べるんだけど
もうぜんぶ
だめになっちゃった
だめになっちゃった
と音楽隊がマーチを組みます
毎朝コーヒーを飲むときや
車窓の風景をながめるとき
その音楽を思い出します
ほんとうはだめになっちゃったのに
季節は終わらないです
これは不思議なことです
季節はまるで水風船の柄のように
溶け合い混ざり合い
いつのまにか形をかえます
ぽよんと水風船を放り
ぱしゃんとそれを掴むと
その度に柄は変化します
だからあの柄にはもうにどとあえないのでした
秋の声がしますか
私にも季節の声がします
季節は地平線の向こうで待ち構えています
もうだめになっちゃったはずの私の国を
なんとさらに更新しようとしているのです
軍団の靴音がきこえます
終戦後もどうせ私は生きているでしょう
生きるということはどうにも不思議です
- ぷんぷんぽん太
- 2017/09/08 (Fri) 20:30:42