フードをかぶっても
角がはみ出てしまって
けっきょく寒い
しもやけがたたって壊死してしまい
すっきりとした額の氷鬼が
首もとまでマフラーに
埋めながらいった
吐く息は
いつだって白い
緊張して遊ばんだ
女の掌みたいにしめっている
と氷鬼は続けた
地球の地軸の延長戦です
そう
あんまりいみの無いことなのかも
しれない
折りたたまれるまえの
色のついたセイホウケイの紙
鶴となり
そのくちばしが
氷ついた時間をくだいてくれる
クリームならぁ
カスタードだったらぁ
すこしは食べられますぅ
デパートの8階で
名も知らぬファミレスで
祖父母がパフェを食わそうとする
窓の外は雪が降っているのに
生クリームは
だめなんだ
脂ぎった目でねめつけてくる
は虫類の肌を思わせる
舌触り
箸ぶくろで祖母は器用に
水鳥を模した
箸置きをつくっていたのを
どうして忘れていたのかしら
時が動き出す
まだ夏休みは終わらないの?
祖父は長期休暇を
すべて同じ名前で呼ぶ
九月一日以降も
続き 続けているのだ
フードをかぶってみる
ファミレス特有のぎちぎちするソファ
座りなおす
目の前のセイホウケイを好きに折り畳め
角ならもうない
とがっていた時期もあったねと
思い出せる
ずいぶん地球からとおくにきたけど
ここもいつかからの
延長線上にすぎないんだ
- こ
- 2018/02/04 (Sun) 22:19:44