即興ゴルコンダ（仮）

この題でお願いします。

●音

見知らぬ雫、
伝い落ちる透き通った背中、


●部屋

数え飽きた足跡、
干からびた楓色のソファー


●鏡

瞼色の頬
繋がれた指輪形の鎖骨
鏡を叩く唇の指紋、永遠の背中


●一人という形

波のように
干からびたサウンド
警笛を鳴らす
足音の数を数える
庭に咲いた一輪の雫
首輪にして、それらを鎖骨にしてしまえば
繋がる背中、摩擦のない翡翠みたいな翼で
つつみこんでくれる
痩せこけたソファーの感触

人形が打ち捨てられている。
アダルトチルドレンの中の子供がいつまでも泣いている。
欲しいのはそれじゃないんだ、と。
もうそんな歳じゃないというのに。
俯いたままなので、何かを訴えるように見つめる人形の目には気づかない。
泣き声が自分のものなのか、人形のものなのかも分からない。
だ、っ、こ、を、し、て、よ、と柱時計が鳴る。
バラバラに響く音たちがきちんと人形の腹に収まる時には、時計はボーンと鳴るだろうか。
I was born in the time.
人形は手に取られる時をいつまでも待っている。

稜線に沿って
だっこをしてよ
おしりは
まるで白昼みたいに
さっきまで過ごしていた
レストランの雰囲気も
やりすごした
学生時代の休日も
コインの表と
裏がパッと入れ替わる
手品と同じで
何度見直しても
けっきょく
このがどこで
ぼくがたれで
きみはどうして泣いているのか
笑っている？）
これからどうしたらいいのか
みんなみんな
わからなかったから
ねぇ、「　　」をしてよ