雨の日と月曜日は

カーペンターズの曲名から

  • あまさら
  • 2018/03/19 (Mon) 21:21:28
雨の日と月曜日は
目を覚ました
しとしとと音がしている
しずかな朝の、
雨音の音階を調律するひとがいる
誰だ。
調律師は物憂げな顔で指先を動かす
ふと音がなめらかに
なったかと思うと
その指先は
一粒のカプセルを胃に流し込んだ


少しだけ調律師の話をしたい
彼は田舎の生まれであったが
いわゆる地主の跡取りというものであった
しかし至って本人にその自覚はなく
好きな趣味を満喫して育ちながら
その延長としてピアノに興味を持ち
次男坊に遺産など譲るという宣言を
そうそうに打ち出すと
調律の勉強のできる学校へと進んだ


世界は雨、
灰色の雲が一面覆い尽くす
憂うつを払い飛ばす青空に
居場所を与えないように
今日は月曜日
曜日は食べられて消えていく
誰が。
月曜は美味しくないのよと
曜日食らいの彼女は言う


少々長く曜日食らいの話をする
彼女がお腹の中にいるとき
彼女の母親はうつ病にかかった
パニックを起こした母親は
家族が気づかぬ内に家を抜け出し
新幹線など乗り継ぎ
遠方の友人宅まで行ったと言うから驚きだ
母親はすぐさま戻され大学病院に入院した
そこで生まれたのが彼女だ
彼女が幼い頃は母親はまだ病床にあり
不安定に入退院を繰り返していた
祖父母と関わることが多かったが
衝突することも多く
上手くは言えないが
彼女は父親や母親の愛情を欲していた
結果として高校生くらいで
彼女は摂食障害となってしまう
毎日が苦しく
曜日を食らい続けることになる


ある雨の日の月曜日
調律師の彼がいつものように
少し鈍った音階を直していると
良い音ですね。
そう言って曜日食らいの彼女が
後ろを通り過ぎた
今回の月曜は少し甘そうです。
と付け加えると
不思議そうにしていたが
そうですか。もう少し綺麗にしますね。
と調律師の彼は笑顔で返した。


誰も彼もしあわせになる必要のない月曜日
今日はうつくしい音色を奏でる雨に濡れる
  • かんな
  • 2018/03/20 (Tue) 13:53:12
雨の日と月曜日は
シフォンケーキ製造工場が閉じて仕舞い
私のバイト人生は終わった
雨の日の月曜日
私は柿の若芽を撮影した
ユスラの開花を撮影した
カレーライスを食べて翌日の昼餉で
カレーウドンも食べた
翌日の火曜日も雨だった
でも13時台は止んでいるようだ
暗い とにかく暗い
温度は13度
チョコレートと砂糖と焼き芋を食べて
ココアと紅茶を飲んだ後や
その前やその途中に
この詩を書き上げた
  • ぎわら
  • 2018/03/20 (Tue) 13:56:52
雨の日と月曜日は
相性が悪いの人波かき分けては人並みに
すいすいと泳ぐ週のまんなかに陣取った
赤いあかい〈代休〉のマグネットいつつ
ひぃふぅみぃよぅいつの日からかひとの
いない日を選んで働くハタをラクにする
なんて知りません楽がしたいのは私です
本音いったりきたりを繰り返す手繰って
反すカードの角が破れてるこれはダイヤ
のエースだから一抜けそこのけさんしょ
のめ木の芽叩くと香りが立つと匂い立つ
と探す見渡す緑の黒髪ぬけて抜け毛地獄
を経た今は落武者と子泣き爺のあいだの
魑魅魍魎の魍魎寄りの未知毛量のようは
河童ですわらべうたうかわらでこいしを
つんで詰んでツンデレる春、雨に唄うよ
  • こうだたけみ
  • 2018/03/20 (Tue) 16:17:50
雨の日と月曜日は


横浜ー川崎間で
君の顔が浮かぶ
とりあえず昨日は去って
明日がやってくる


間も無く「 ____ 」が通過します
間も無く「 ____ 」を通過します


どこから私ですか
どこから今日ですか
君はいつですか

が通過します





  • AB
  • 2018/03/20 (Tue) 18:17:03
雨の日と月曜日は
自分のふりをする日です。
火曜日や晴れの日は
猫の面影を追いかける
忘れ形見を忘れゆく
老いた母に寄り添って
水曜日や誕生日には
ブルドーザーを見上げてる
青天のもと、アスファルトを黒く染める
誰かの影と相まって
木曜日や金曜日、送別会とハジメマシテ
ハロー サンキュー
ハウアーユー?
境目を超える声になって
気遣いと上目遣いが
じょうずになった目尻の皺
週末には
未だこない時間のことを
将にこんとする時間についてを
とうとうと刻む砂時計に
にぶく痛む見えない箇所の古傷のように
私ではない者の思い出に浸るのです。
  • 2018/03/20 (Tue) 19:54:01
雨の日と月曜日は
雨の日と月曜日は
あなた決まって暗くなっちゃうのね

思い出してほしいのよ
あなた昨日は笑っていたじゃない
わたし分からないわ

ゆううつなあなたって
光沢をなくしたシルバーみたいなのよ

太陽ってどんなだったかしら
顔を出してほしいと
無邪気につとめてあげてるの

いま太陽の光はお邪魔かしら
そんなに特別なことじゃないと思うのだけど

ゆううつなら思い切って寝てしまいましょうよ
夜になったら同じよ
みんな暗いし外は寒くなるわ

分からないままでいてあげるから
目の前のそれちょっと頂戴な

雨の日なのに何処かへ出かけてるみたいね
こころ抜け出して
空っぽの自分に何をそそいでるの

忘れることを常にしなくていいじゃない
わたしここにいるわ



わたし
わたし
あなたをそっとしておくね

  • 社町 迅
  • 2018/03/20 (Tue) 20:33:00

返信フォーム






プレビュー (投稿前に内容を確認)