水底に映り沈む桜を掻き乱して遊ぶ幼い人差し指
昨晩は寝てしまいました。
すみません(^_^;)
早朝ですが、お題を出したいと思います。

  • かんな
  • 2018/03/27 (Tue) 06:09:29
水底に映り沈む桜を掻き乱して遊ぶ幼い人差し指
機械透明、これは明確に線を引かれた花びら、の、幼い日と幼い人の輪郭が過剰に飽和していきます。春の次には秋が来ます。季節が爆破、する。

水底茶碗のチャカポコが、どてらを着て、引き裂いて、シート(それは青い)満点の青天、ふたつの青にはさまれている日と人、指を差しているその指先はどちらを向いている?(参ります/した、ご注意ください/しろ)

掻き乱される機械透明から――幼い人が――取り出した茶碗はUFO(チャカポコ)、桜色の未確認飛行物体が宙空を舞うのを見つめます(眼差し――指差しとは異なり――は白い)、遊んでいるうちに秋が来る春が来る秋が来る春が来る、幼い日に置いてきた人差し指が云ふ、お前だ、
  • 2018/03/27 (Tue) 07:06:26
水底に映り沈む桜を掻き乱して遊ぶ幼い人差し指
ガラス張りの大きな窓と
コンクリ―の壁だけでできた崖の上の部屋に
あふれる光と焙煎したての豆の匂い 

首の細い水差しに熱湯を移し
濾過紙を円錐形に開く
雑味は排除するための 紙のざらつきを
たしかめる貴女の指が 白い

  ドリップとサーバーに湯を入れ
  そして湯を捨てる貴女の爪先の青いマニキュア  

ひきたての珈琲豆をペーパードリップの中央にセットし
豆の中心を目指して湯を そっと注ぐ
豆粉が湯を受けて 円く膨らむと 同時に香り立つ
三十秒 
抽出されると同時に何の思いも抽出できないほどの
芳香
ただ遠くで鶯が 水音のように鳴いた
耐熱ガラスに満ちている珈琲をカップに注ぐ 
 
 貴女の爪半月には マニキュアがない 
 初々しい乙女色の爪に注がれた珈琲の静けさ
 ゆっくりと香りを飲み そっと ふたりで外に出る

外はいつのまにか 太陽が溢れ
来るときとは比べられないほどの花の萌える匂い
一気に蕾が開花している

 貴女はスプリングコートを ひるがえし
 桜色の爪で行き先を指さす
 まるで 水底のような春霞の中に 宝物があるかのように
  • るるりら
  • 2018/03/27 (Tue) 17:12:51
水底に映り沈む桜を掻き乱して遊ぶ幼い人差し指
仕事の合間、一息ついて
ふう
っと、桜の花びらが舞い散った
一瞬の風が吹き過ぎ
いちまいが
ちらちら、ひらひら
中空で迷い
苔むした手水鉢に落ちた
赤茶けた朽葉が
底にぴったり張り付き積もっている

庭園を訪れた花見の客の中に
薄化粧をした旧友はいないだろうか
聞き慣れぬ訛りの雑踏の中に
懐かしい声色の旧友はいないだろうか

異郷にて、私一人
ささくれだったベンチに腰掛けて

花びらの影を捕まえた朽葉たちは
彼の沈むときを待っている

そんなことは望んでいないよ、と
指一本
ぱちゃぱちゃと水音を立ててごまかした


  • 社町 迅
  • 2018/03/27 (Tue) 21:44:48

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