納豆と胃カメラ
納豆は万能でなんにでもなれますが、なんにでもなれなかった人達はどこに向かうのでしょうか。


  • 甘露煮さらさら
  • 2018/04/05 (Thu) 22:14:27
納豆と胃カメラ

悲しみの岸壁に立つ家の中で
納豆キラーゼのキラキラとした光の線が
あとをひいている

糸くずのようななかにも 
大宇宙があるとテレビは喋る
シャベルのような台に乗せられていた
父さんの臓器

はめごろしの病院の窓
  • るるりら
  • 2018/04/06 (Fri) 11:23:36
納豆と胃カメラ
私が上手く飲み込めないのは、納豆と胃カメラ
と、
あなたが死ぬこと。

腫瘍が見つかったことも医者の言葉も上手く通ってはいかなくて、
あなたの喉を通る食事も信じられないほど減って、
最後にあなたが口にした固形物は好物の納豆で、
そんなものが好きなのも、もう衰弱していくだけなのも信じられなくて、
あなたが死ぬのだと本当にわかったのは、あなたが死んだ時だった。

私が上手く飲み込めないのは、納豆と胃カメラ
と、
それを詩に詠む私のこころ。
  • 2018/04/06 (Fri) 17:44:45
納豆と胃カメラ
ポストにモダン放り込んで走ってくバイクの
車輪の下の減るもんじゃなしヘソのゴマ開け
たいらかなカナかなしいな食えない人のシは
うつくしいなんて簡単に言うな見ろよその目
で両の目で十二ろくろく聞いてない首が伸び
てく高くたかく振る賽の目きりくちはコチラ
側のどこからでも、たどり、着け〼私の意味


  • こうだたけみ
  • 2018/04/06 (Fri) 19:19:50
納豆と胃カメラ
あるとき
神々しさを身にまとった小粒の子たちは
巨大生物の姿に戦慄していた

悪魔は言う

「神の力を以てして生まれた
 誉れ高き醜悪なモンスターよ
 君らが成り果てた姿は真に穢れているようだが
 我が腑の力には為す術無く
 溶け尽くしてしまうだろう
 さあ、君らの体を寄越せ
 君らの持つ数々の宝を奪ってやろうぞ」

またあるとき
正義の姿をしたハイテクな豆は
意を決して濡れた洞窟へ突入した

悪魔は言う

「己が命運から目を逸し
 悪魔の姿を捉えんとするものよ
 一つしかない目をぐるぐる回し
 何もない所を探り続けるがよい
 忘却の果てへと進むがよい
 賢い風貌のとおりに
 他のものでは成し得ぬ働きを期待してやろう」

―――以上は、悪魔の体内を通り抜けたものたちの
クサいくせに感動はない物語の序章である




  • 社町 迅
  • 2018/04/06 (Fri) 20:34:15
納豆と胃カメラ

カプセル型の胃カメラ
飲みやすいようにと
納豆にしのばせた

いつものように
間の悪い君だから
いとしい

胃壁なんかより
いろんな俺が映っちゃう
かもね

そんなことより
納豆
噛まずに飲み込めってか


  • AB
  • 2018/04/06 (Fri) 22:06:44

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