テレビが「おはようございます」と言った
俺はこれから就寝する
陽光をすべて遮断すべくシャッター
安らかに眠れ
俺
迎えにいくことはできないはずなのに
朝はいつでもやってくるものなのに
おはようおはようと、おはようが語りかけてくる
光は侵略するし光は撤退する
朝はやってこないのかもしれないのに
おはように戸惑う俺にもおはよう
そんなことはまあ まあ
当然と言えばそうなのだけれども
どこにいっても俺の目に
飛び込んでくるこの光景以外は
俺にとって真っ黒な何かでしかない
俺の内蔵は深い暗闇のなかで時々鳴く
確かにきちんと詰まっているらしいと思う
もしかしたら鳴くとき
光っているかもわからん
くはっ
強いて言えば16時に朝食をいただきます
それまで俺はこの暗闇のなかで
光っているかもわからん、誰の目にも届かないところで
意気揚々とはいかなくとも生きようと思ったところで
俺も餌を欲しがって鳴くしか能はないが
また俺に朝がくることを願う
まぶたとシャッターと幕が上がるまで
安らかに眠れ
俺
- はさみ
- 2018/05/23 (Wed) 18:18:06