下半分の世界
お題は「下半分の世界」でお願いします。

あなたの気持ちの半分だけでいいから、私にうたってください。
届いた気持ちの分だけ軽くなるから。
はんぶんこ、しましょ。

  • 2018/07/17 (Tue) 21:42:07
下半分の世界
下半分の世界は
台所とテレビルームの間仕切りから
出来て居る
障子を改造したやつだ
障子紙を取り去り
プラ板を張り付けただけの間仕切りを
姉はクーラー切ってあるにもかかわらず
無謀にも閉めて行く
母を二回から呼び寄せて
再び開けて貰う
そんな24時台もあった
  • ぎわら
  • 2018/07/18 (Wed) 00:14:12
下半分の世界
(下半身の世界、なんていうのはもってのほかなんだろうな、と、PCが鎮座する炬燵の隅の写真立てのなかの、僕のベアトリーチェに話しかける。彼女は絶対微笑みを返さない。視線の先の的を見据え、弓を引き絞り続けている。「星よ導きたまえ」。なんてコピーがはやった頃、漫研のターちゃんが描いてくれた、高校の準ミスのクロッキーなのだ。「お前が好きなの、こっちだろ」と、『平凡パンチ』の栞にして渡してくれたのだが、辺りの奴らに、「誰だよ」、「見せろよ」なんてせっつかれ、焦った。何しろ高校生なんて、ひとの恋愛やオナニーを肴に、一騒ぎしたい奴ばかりなのだ。余計なことをしてくれたなって、感謝よりも怒りを覚えた。ターちゃんにも多分、ちょっとからかってやろうっていう気持ちはあっただろう。結果彼女は僕のナンバーワンの座から転落、禁欲の対象だったのにズリネタとして解禁され、下手な小説のイメージキャラとしてもバンバン登場するようになった。といってもホラーの二次創作。彼女当人には、なんとも迷惑な話。ミンチにされたり、ブタに喰われたり、頭を四っつに割られ巨大なゴカイにされたりしたりしたのだが、「けれどもこれは別の物語、いつかまた別のときに話すことにしよう」。否。草稿は破棄した。因みに我が校に弓道部はない。さて近頃の彼女は、僕の共同執筆者だ。ヒロインとしても健在なのだが、めっきり殺されなくなった。とはいえやはり、迷惑な話であることに変わりはない。こんな風に話しかけるのも、結構罪悪感、感じてるし、リアルにあの頃、こんな風に馴れ馴れしく話しかけたら、彼女の親衛隊による鉄拳制裁必至だっただろう。ひょっとしてあの『平凡パンチ』を誰かに見られただけでも、そんな結果になっていたかもしれない。高校生なんて平気でひとを殴る、蹴る、場合によっては唾まで吐きかける。空想のなかでの大量殺人なんて、まだまだ可愛いもんだ、という話ではなく、下半分の世界の話なんだが、ねえ、これって、下っていうよりも半分ってことのほうが、大事なんじゃないかな? 真っぷたつにされた世界の、下半分。ネモ船長? そうそう、僕はなんでも船長の話にしちゃうんだけど、たとえば、カタカナ語はみんな船の名前にしちゃったりとか。でもやっぱ、「別の物語」かな。サブマリンの話じゃないな。亜空間潜航艇の話でもない。社会階級の話にするのも何かと地雷多そうだし、しかも下半分の話だからな、ルサンチマンがなんだとか、ポピュリズムがなんだとか、要するにその話も、近代主義の男根主義の全体主義のスタ官野郎が! だ。イデオロギーは持ち込み禁止。僕はスターリンもレーニンも好きじゃないんだけどね。ケネディも好きじゃないけど。ただちょっとだけ『ガンダム』のギレン総帥が好きなだけなんだ。「ジーク・ジオン!」「ジーク・ジオン!」……あっ、でも、好きなモビル・スーツは連邦のGMなんだよねって話は全く関係ないけど、そういえばGMって、やられ役の割りに、真っぷたつにされたりってことはなかったかな。「けれどもこれは別の地雷、また別な奴らに注意することにしよう」。ヲタクも怖いよ。ターちゃんとかね。ああそっか。あの頃の僕たちの世界が、下半分の世界なんじゃ? いやいや。下三分の一、百分の一、千分の一の世界くらい? リベラルなはずの軽音の奴らに、飯島真理かけてたってだけの理由で、ラジカセぶっ壊されたりしたんだよな。文化祭の準備期間中だったから、音楽かけてたの僕たちだけじゃなかったし、現に奴らのストレイ・キャッツだって、飯島真理以上に騒音だったし、「学校の恥になって」たはずなのに。「ウォークマンで聴くなら許す」って、一体何様のつもりなんだ。それなのにターちゃん、「なんだよ。泣き寝入りかよ」なんて、奴らにじゃなく僕にいったりするんだよな。当然奴らが帰ったあとで。文化祭、結局休んじゃったよ。それで彼女。我が校の準ミス。意外となん度も僕たちの展示に来てくれてたんだって。ま、関係ないけどね。別にどうでもいいしね。僕が受けつけのとき来られたって、ろくな応対、できなかったろうしね。マイ・ベアトリーチェ。ちょいひさびさに僕の駄文に、登場してみないか? 君はモンデンキント号の船倉で機能する、クローン製のアンドロイドだ。船倉のなかだけが君の世界で、つまりそれが、下半分の世界ってこと。ちょっと強引過ぎるかな。そしてこれまたひさびさに、エイリアンに寄生されてみない? 積み荷のなかに、船長に無断で持ち込まれた、危険生物が入ってたんだ。チェストバスターとかじゃなく、そのままドロドロにされちゃって、体内の組織を単純化され、けど分裂だけは繰り返して。つまり君は、エイリアンの自動製肉工場にされちゃうってわけ。これって『エイリアン』のバッタもんで、もうとっくにやられちゃってる話なんだけどね。ターちゃんにもご登場願おう。二等航宙士ター。なんかチャイニーズっぽい名前だな。ほかにも高校の同級生総出演でって、あっ、僕、ターちゃん以外に友だちいなかったわ……)
  • 安藤紅一
  • 2018/07/18 (Wed) 21:30:09
下半分の世界(対象外)
日差しが強いので、私は日傘をさし、俯き加減で歩いていた。
傘に遮られて、汗がにじんでいるであろうシャツの裾しか見えない。
それと、あなたの腰から下、靴の踵が踏んでいく地面と、影。
それしか見えなくても、少なくとも、道に迷うことも、道を見失うこともない。
それがわかっているから、安心して視界を狭めてついていく。

グラスの中で比重の違う、ミルクと氷の溶けた水が分離して、丁度半々になっていた。
上澄みは味がなくて、下半分だけうまいこと飲めないかと考えてストローを咥えた。
吸ってみれば、やはり薄まっていたが、甘かったし、冷たかった。
甘いものは好かないから、アイスコーヒーにガムシロは加えないのに、アイスミルクだと加えるのは、特別感からだろうか。
普段は牛乳にガムシロなど入れないのに、喫茶店に行くとアイスミルクにガムシロがついてきて、特別なものに思えた。

でも、もし、あなたが足跡だけになってしまったら。
傘なんて放り出して、私は駆け出すだろう。
あなたの背中にぶつかるまで。
それで真っ二つに割れてしまっても構わない。
その時は、はんぶんこで生きればいい。
  • 2018/07/19 (Thu) 18:25:32

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