即興ゴルコンダ（仮）

個人的に気に入っているフレーズです。
自由に解釈して頂ければ。

どうぞ宜しくお願いします。

この世と何の繋がりも無くなった時
生ける者は皆一様に世界から退場する
えにしが切れていく音を数えながら
無闇にとりとめのない妄想に耽った

終わらない朝日が降り注いだ町
何処にでもある赤い三角屋根
そこに住んでいた林檎の様な頬の
何人めかも分からない子の微笑

飽和して溢れ始める絶望のことを
人は目配せして秘密にしていた
いつか堰が切れて町をまるごと呑む
それでも今日は平和だからと

魚が魚を、鳥が鳥を、人が人を狩る
バランスを欠いた天秤は言う
もうすぐ運命の時は来たる
失うものなどない荒野に一人、また一人

世界に遺灰をいっぱい貯めこむと
世界は悲しみで満たされる

すごい男が歌いだし
鳥が羽ばたいた

ワニは親分になりたがるが
世界の悲しみの半分は食べてくれる

すごい男は少しなりをひそめて
世界の悲しみの1パーセント飲み干した

もうあと一滴で溢れそうだねと歌姫住まう耳の暗闇

彼女が歌うのを初めて見たのは深夜の音楽番組でした中学二年生の地味な女子にとっての深夜は零時を回るか回らないかくらいの今となっては浅めの夜に日本人なのかよくわからない女性が歌っていました踊っていました名前をノートの切れ端に書きつけてTSUTAYAへ行って探しますUAってなんて読むんだ？ 店員さんに聞くこともできずに店内をウロウロしますたぶん何度も通ってやっと見つけたそれはテープにダビングされ伸びるまで聴きつづけられました幼い情熱とともに

横たわるわたし縁取る流線型のラインを超えてくる閃光


参考：UA「情熱」、「閃光」