廃業寿司屋
「廃業寿司屋」でお願いします。

  • ぎわら
  • 2018/10/12 (Fri) 00:14:24
廃業寿司屋
あ、これ詩に使おう
となにかメモしてる人がいた
心が揺れそうな美事な言の葉も風に揺れて
忘れられたりするからね

ノートを見返して詩を書き出すのが
なんだか本当じゃないみたいで
いけないことの気がして
大事なことは全部
最初から言葉になりゃしません
とそういうことにしたもので
詩の居場所をなくしてしまいました

ネタを仕込んでも腐らすので
廃業した寿司屋みたいなものだろう
今でも握り込んで隠しているし

これなら生きていた言葉を殺してまで切り取ってきた
意味がないしかわいそうなことをした
花を摘んで捨てるならきちんと飾ってあげたいのでした
おしまい
  • はさみ
  • 2018/10/12 (Fri) 01:45:34
廃業寿司屋
ここに来る約束をしていた。建物ですら、骨の真似事をするように
雨に表情を落とし、風に砂を落としてじっとしている。
どうせ田舎の通りの中だもの、と今年また生えてきた雑草たちへ
近くへ寄ってきてと呼びかけてみる
幼い顔が毎年変わらないような気がして、その顔は私もまた
若かった頃の、小さい子供たちの顔で、何が嬉しいのかちょろちょろと
ここに集まってきてくるのを
見たあとで、雑草を見ている。
もういないのだ。
嬉しいことがあったのだ。
みんなが持ち帰っていった。
  • 社町迅
  • 2018/10/13 (Sat) 00:14:02
廃業寿司屋(脱字)
7行目、”~きてくるのを”でなくて”~きてくれるのを”です
  • 社町迅
  • 2018/10/13 (Sat) 00:23:21

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