東の国の眠らない夜
お待たせしました。秋の夜長でございます。
このお題でお願いします。

  • 社町迅
  • 2018/10/19 (Fri) 22:44:58
東の国の眠らない夜
間違いなく世界の片隅はここにある
みたいな感覚でスマホを手に
横たわり
よくあることだけど眠れなかったりしていた

世界の片隅から片隅へ
僕とあなたとの間にちょうど
切り込み線があり
端と端に橋を架けるような会話

居るようで居ないあなたを感じて
居ても立ってもいられなくなり
外へ出た

取っ掛かりが欲しくてつい
渋谷のスクランブル交差点にあるような
大きな液晶画面の一部をこっそり
切り取って持ってきてしまった
穴から向こう側の空が見えた

見たことないくらい
きれいな空だなあと思った
つながってるってことだった
もう切り込み線はいらなくて
LINEを切った
  • はさみ
  • 2018/10/20 (Sat) 04:55:18
東の国の眠らない夜
東の国の眠らない夜は
星と共に輝いて
東の国の眠らない夜を
きみはいつか宇宙から見る
東の国の眠らない夜と
きみの寝息は安らかで
東の国の眠らない夜は
これからも少しは続くのだろう


宇宙飛行士なれると良いね


東の国の眠らない夜に
私はきみの夢をおもう



  • こはらあき
  • 2018/10/20 (Sat) 13:56:57
東の国の眠らない夜
にいにいよんよん
にいよんよん

猫がにいと鳴いてよんと応えるのはハンモックあるいは立て付けの悪い扉にいにいと錆びたノコギリよんよん

時間にばかり目がゆくのはニィ書けないからだと知っている身体はョン丁目の東銀座へ置いてけ堀さ

MRIに入ると聴けるよ壊れたムジーク、アイネ暗いね終わらない夜にはにいにいよんよんと鳴らす空みたいな色のワンピース着て

もし太陽が昇るのを忘れたとしたらどこに線を引けば朝が来るのかってそりゃきみとわたしの間だねたぶん

星と星をつなぐみたいに手をつないで「二十億光年の孤独」を持て余していたかったのにずっと

くしゃみしてもブレスユーと言ってくれる人がいなくって
雨は降ります未明にかけて
こちら月の裏側に腰かけて
  • こうだたけみ
  • 2018/10/20 (Sat) 21:04:02
東の国の眠らない夜
ひんがしのくにのね 群らない夜は
だれもか大勢の中で たったひとり
回遊魚のように 周回する深夜バス
満員なのに みんな たったひとりきり
だれもが どろりととけた目をして
混雑した車内の中で ひとりきり

ねてもさめても 大勢のひとがいて
いつまでも眠らない夜を走るバスは
ふたつのライトを真っ赤にして
海の底をおよいでいるのに誰もきがつかず
朝をめざしてはいるけれど だれもが時間を捨てました
  • るるりら
  • 2018/10/20 (Sat) 21:08:45
東の国の眠らない夜
読み返した本に
現代は夜の詩が多い
と書かれていた
そうだろうなと思った
1960年ごろの本だった
そうだろうなと思った

だから
おはようと呼びかける朝の詩人は
かろやかに時代を変えてみせたのだと

ああでもまた
夜になってやしませんか

   *

読み返した本に
東の国に浮浪者がいて
子供たちだけが彼のことを
王子さまと呼んでいたとあった
彼は少しだけ未来を生きていたと
そのため冷たくなってから
街の人々に発見されたのだと
やっと追いつかれたのだと

彼のせりふはひとつもない
私はそれを
筆者の卑怯だと思った
ありもしない優しさへの
こころからの捏造だと

   *

読み返した本に
そらの意味は国によって
言語によって違うのだと書いてあった
そうなのだろうと思った
けれど私は
ひとつのそらにあこがれる

山の向こうでは逆風が吹いている

星の名前はどれも
いつか誰かが見た証
  • 若原光彦
  • 2018/10/20 (Sat) 21:29:04
東の国の眠らない夜(投票対象外)
人間がいなくて目に騒がしい頃
妙技ご覧じろと開く花
夜、空にてこの銘を見よ

幾度も駆り出す曲
君から私の後ろへ抜けてゆく激流
服をかする火、散り広がって伸びてゆく
今まさに真価を食い抜く記者

この勝負戴いた!
  • 社町迅
  • 2018/10/20 (Sat) 22:46:58

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