唯一投稿してくださったネンさんの優勝です。おめでとうございます。
語り手のような人が本当にいたとしたら、自分が好きなことを好きなように感じて良いということを視野に入れて、逃げても殺されない、自分の価値は失われないということを強く伝えたいですね。石ころになりたいのは勘違いで、いま石ころにされかけているのかもしれません。
詩の構造的な部分では、「繰り返して」がとても重要な鍵になっていると思いました。最後まで自分は惨めだということを語り手が言っているところに、ちらほらと出てくる「あなた」の存在が、三連目の「繰り返して」の意味を連用形と命令形との間でゆらゆらさせています。また、最後二行の不規則な変化が、やはり三連目の「繰り返して」がどちらの意味で使われているのかを目くらまししている気がしました。三連目、四連目を下の行から順に読むと完全な語り手の願望のように読めるのが面白いですね。それはそれで悲劇的なカタルシスがあり、とても好きでした。
- はさみ
- 2018/11/19 (Mon) 23:09:29