文脈が群生している、って猪木が言うものだから、あたしたち、大きな弦楽器を捨てた荒野で珍しい高山植物を見つけたみたいにきらきらした目をして笑ったの、ねえ角田、あっちの水は甘いよこっちの水は辛いよ、つらいよ、その先の人生は竹藪のなかの早朝、埋もれた筍が地雷よろしくあなたを串ざそうとして、金色のもと光る竹なむか1本もなくってさ、猪木、なあに角田、好きな人の誕生日で貯金の管理するのやめなよ、えー、4月31日に生まれたからパスワードは0431、好きな人との思い出はコントラバスのように背中にかつがれてどこか遠くの山まで連れていってもらったこと、たくさんの代名詞が横たわる、あなた、わたし、かれ、かのじょ、おまえ、あなた、あたし、やつら、おまえら、おれたち、あなた、彼方まで捨てていこうか角田、猪木つれてってよ、4月と5月の隙間まで 、
- 生卵喰鳥
- 2019/04/23 (Tue) 04:49:16