壁を這うワニ
前回のなかたつさんの作品に
博物館が嫌いだった、とあって衝撃を受けたので。
(なかたつさんもお久しぶりでーす)

丸の内のKITTEに入っているインターメディアテク。
でっかいワニと小さいワニの壁を這う姿が見られます(レプリカ)。
動物園やジャングル、ジャングルクルーズ(TDL)でも見られるかしら?

なんか余計なことをいっぱい書きましたが、
どうぞ自由に書いてくださいな。

  • こうだたけみ
  • 2019/05/14 (Tue) 21:11:39
壁を這うワニ
シンプルなワニは覚せい剤で
星を砂にして飲んでいたんだ
いつも幻想を夢見ていた
泉の湧き出る光はいつもこころのポケットにあった
それでは、穴だらけの
銀河の砂地獄でおやすみ
壁1面はられた無限世界で泳いでいた
いつもいつも
いつも
壁から色落ちしていう
疑いとロマンスも
部屋の隅に残った
エロ本の静けさが
糊になって延々と風鈴を、きかせてくれ
  • たるぱぱ
  • 2019/05/14 (Tue) 21:33:49
壁を這うワニ
ぼくに見えないものが
他の誰かに見えるということが
往々にしてあるという
たとえば
(たとえば?そんな風に、話しだしたら、どうせ、オチも、クソも、ない、ないないない、退屈な、それはそれは、退屈な、話が、長く、ながくなが~く、続けだけ、でしょ、でしょ?)
「ゆうれい、とか」
(ゆうれい?え?いまどき、そんな、ようちえんせい、みたいな、こと、いうやつ、いるのかよ)
「いやいや、うそうそ、僕にも、みえませ~ん♡」
(うそ?いや、あなたが、いうこと、ぜんぶ、ぜんぶぜ~んぶ、うそ、しかも、はーとまーくとか、それこそ、目に見えたら、困ります、ね)

往々にして
夜な夜な
歩いているという
elephant in the room
ということわざ
触れちゃいけない
目に見えないことは
触れちゃいけない、んだよ
わかる(?)
わか
わかりま
(唐突に和歌、はい、どうぞ、あまのはら、ふりさけみれば、かすがなる、あさきゆめみし、なんだっけ、っけ)

壁にワニあり
障子に目あり
ありに足あり
はりにさらり
そろりそろり
ももやきとり
(は、まじ、つまんない、おやじギャグ、だから、モテないんだよ)

「いやあ、つまりね
(なにが、つまり、だよ、要約するまで、どれだけ、経ったんだよ、ようやく要約、ってか
「目に見えるものだけが全てではないということ、それは誰かがつくったものであって、少なくともあなたがつくったもの以上に誰かがつくったものの方がこの世界に多いということ、目に見えるものの裏には、それをつくった人が数多いるということ、ほら、目に見えないでしょ、そのあなたの体や思考だって、誰かがつくったということ、それが目に見えないということ、いいよ、あなたがおじいさんになったとしよう、いや、想像の話でも、ましてや、創造の話でもなくて、あなたが本当におじいさんになって、世界を見渡してごらん、あなたがつくったもの以上に誰かがつくったものの方が多いということ、それが目に見えているものの正体であると同時に目に見えていない誰かがいるということ、だから
(え、え、え、だから?
「いつか、壁を這うワニがいたとしてもおかしくないでしょ?」

  • なかたつ
  • 2019/05/14 (Tue) 22:15:42
壁を這うワニ
壁をヤモリが這う
昆虫を狙って昆虫を食べる
壁を這うワニはちょっと虚構性が強い
1目的のある鴨の様だ
2日めくりカレンダーでいろいろなことを惜しむ
3清流の岩場で何かを仰ぐ
4啓蟄の光が眩しくて目がくらんだ
5猿が春の麗らかさになごんでいる
6春泥に盗塁を決めた
以上6項目の独り言を呟くぐらい虚構性が強くて
難解だと思った
(6項目は句会の中から自分が予選句で選んだ句の内容が含まれています)
  • ぎわら
  • 2019/05/15 (Wed) 00:00:30
壁を這うワニ
壁を這う鰐の背に乗って しけもく舞う密林の沼地に沈んで潜む 黄金色の目で 嘘色の太陽に茹だる国境線を睨む のそ ゆら ちら アナスイぶった女の股にぷにぷにを突っ込みたいお猿ちゃんは 存在しないアイスクリームを舐めるのに夢中 で 路上を歩行しながら 女を目で舐めてて 眼鏡が割れると死ぬらしい けど 私は存在しないアイスクリームが大嫌い だな だって鰐の鱗の味 しないんだもの 鰐に絡む白蛇 の ちろり 桃色舌 まだ妄想の範囲内 嘘とほんとの間を行き来する鰐皮の幽霊 戦闘機に乗ったパイロットは目撃する 密林の大河 交合する宇宙 まるで神様みたいだね 玄武は亀と蛇だけど 鰐と蛇が交わったら何が産まれるのかな 君の固い肉を齧る 鰐の唐揚げみたい チョコレートのような沼地色の壁を ずりずりと這う私の鰐はすごくきゅーとで 熱くして 壁も全て溶けてしまえば 重力に従って流れ出す国境線を 私達はのしのし越えられる よ 熱い 熱い 熱い 私 もっと熱いのが好き まるで熱帯みたいに 壁を這って あの青空に突き立つ塔の先端に チョコレートの国境線を落書きしに行こうよ 塔は直立する白蛇の記憶だ そう 君の目には見えない 優しく舐めて 私は気が触れた笑みを漏らす 0と1の間の嘘とほんとう 鰐は大きな口で快活に笑う

私ポエムが書けるんだよ

ベッドに俯せに寝転んで まるで今 私が 壁を這う鰐 妄想の範囲内 チョコレートの沼に溺れる君には もう世界が 見えない ね いっしゅん

私はアイスクリームで喉を潤す 鰐と一緒に
  • fenrir
  • 2019/05/15 (Wed) 00:06:44
壁を這うワニ
ひかりとかげが はきおとしのガラス窓に
うごめいている うたたねのひるさがりだ
巨大生物ご挨拶 爬虫類系影のお出ましだ
いえいえそれは 山法師の木陰のゆれです
あら
ヤモリがご挨拶 窓に映る素敵シルエット
ねえヤモリさん ヤモリとトカゲとワニは
どう違うのです ヤモリさんは私の首筋に
落ちてきたこと ありましたよねシャツの
襟から私の服に はいりこみもぞもぞとね
うごいていたの あなたをおぼえてますよ

さて質問ですの はさみは切る道具なのに
なぜハサムのか ワニのような鋭いキバが
うごいていたの しってるけれど知らない
ひかりとかげが すべての壁をかけめぐる
  • るるりら
  • 2019/05/15 (Wed) 08:09:08
壁を這うワニ
あのひとはいつもどこかにしるしを残した
出かけた先に置かれたレシートだったり
鞄から抜かれた口紅だったり
きみがここに来ることを知っていたよ
あの色よりもこっちがいいよ
そんな風にしるしを残した

ゆるすことをかさねると
違和感は日常に隠れる
隠すことをおぼえると
ゆがみは声をあげて
わたしたちをのみこんでいく

ひとりになったわたしの部屋に
今、一匹のワニが現れて
わたしのことをじっと見ている
見られてもこわくはないよ
ちゃんとワニだとわかるもの

うでを齧らせてみたら
涙を流した
それはあのひとの涙に似ていた

必死で出口をさがしているところも

あのひとに似ていた
 
 
 
 

  • will
  • 2019/05/15 (Wed) 12:31:36
壁を這うワニ
まずワンカップがございますれば壁に投げつけられる始末

床に散らばるンカップに気をつけなせえ紳士淑女の皆々様

並々と注がれた筈の酒は泪のように乾いていくのサ

壁に刺さったワをとろうと生憎チビなもんで手を伸ばすも徒労



ここにウニがあります

これはウニのとげです

とげを引き抜き続けるとウニは死にますか?

ウニのウのうえにあるとげを抜いたらウニは死にますか?

ウニ

ワニ

壁にワニが這いますが顎は老朽化したひびに引っかかって

わにわにしながらとげを壁に刺すのをやめてくださいっ!

水平な横棒が重ねられている二本





這い回るワニを追いかけていくと空っぽの電話ボックスだったものにたどりつくから連絡するね小銭ないけど

壁が・きっとあらゆる壁が音を立てることもせず崩れていったから・この足下を思えヒトの姿をした鰐どもよ
  • 生卵喰鳥
  • 2019/05/15 (Wed) 17:47:29
壁を這うワニ(投票対象外)
 丸の内の商業施設KITTEにはインターメディアテク(以下、IMT)というミュージアムが入っていて、東大所蔵の蒐集品を無料で見ることができる。一階から六階まで吹き抜けになっているKITTEの建物。その二階の一部と三階の一部を階段でつないだ展示室は、そんなに大きくはない。しかも、同じフロアに商業テナントが入っているから、一般的な博物館と違ってしんとした静けさもない。この、誰でも入れるのになぜかあまり人気のない、けれども少しくらいの私語なら許されるゆるい空間が私は好きで、東京駅付近で時間を潰す必要のある場合は必ずと言っていいほど訪れる。
 ゴールデンウィークの真ん中あたりに、大学の頃からの友人と有楽町のプラネタリウムを見に行くことになった。休日は混み具合が読めないので、三時間前に行ってチケットを買った。さて、お茶をするだけでは潰せそうにない三時間。私は迷わず「あそこ行こうよ」と言った。IMTだ。
 隣を歩く友人は、目鼻立ちがはっきりしていてゆるくパーマをかけた明るい色のロングヘア。花柄のワンピースをひらりと一枚で着る。もちろん足元はパンプス。女子力が抜群に高い。
 一方の私は、職場の後輩に「遠くから見ると星野源タイプの男前」と言われるほどの短い黒髪ショート。顔は、何をか言わんや。体型隠しのシャツワンピースにスキニーパンツが欠かせない。足元はいつだってスニーカー。
 ぱっと見、正反対な彼女と私。友人関係が十五年以上つづいているなんて不思議だ、と自分でも思う。
 行動力があって新しい物好きな友人は、IMT行きが若干つまらないらしい。長年の付き合いだ。テンションの上がらなさでわかる。プラネタリウムに誘ったのは自分だから、まあ付き合ってやるか。そんな感じ。
 私は、好きなものは飽きるまでリピートするタイプ。だいたい半年ぶりに行くIMTにとてもワクワクしていた。
 休日のIMTは、さすがに普段より人が多かった。すぐに展示室へ向かおうとする私を友人が引き止めて言う。
「私、これ好きなんだよね」
 入口を入って左手。下のフロアと上のフロアをつなぐ階段の壁に、まるで這うように展示された大きなワニ。
「うん、私もこれ好き!」
 彼女と私はまったく違う。けれど、少なくともこの壁を這うワニがつないでくれる。それでは改めて、展示室に所狭しと並べられた骨格標本に挨拶を。
  • こうだたけみ
  • 2019/05/15 (Wed) 21:07:17

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