今回もたくさんの方にご参加いただきうれしいです。
投稿された方も投票された方もありがとうございます。
なかなか新ルール発動されませんね。笑。
賑わうことはよきことかな。
それでは結果発表です。
willさん 二票
生卵喰鳥さん 二票
たるぱぱさん 一票
ぎわらさん 一票
るるりらさん 一票
同票なので、投稿の早かったwillさんの優勝です。
おめでとうございます!
次回のお題をよろしくお願いします。
追伸。
投稿してくださった方に感謝の気持ちを込めて、全投稿作に、僭越ながらひとこと感想を(恒例)。
たるぱぱさん
まず、投稿はやっ!って思いました。すごい瞬発力。最後の三行「部屋の隅に残った/エロ本の静けさが/糊になって延々と風鈴を、きかせてくれ」の部分から「部屋の隅に放置されたエロ本が路上に捨てられたそれに変わり、大粒の雨が降ってページが溶けだしてアスファルトにへばりつく。太陽がそれをカラカラに乾かして、いま、風に吹き飛ばされる粉々が風鈴を鳴らす」という光景が瞬時に立ち上がって、私この幻想好きだわーと思いました。
なかたつさん
拙作に登場した友人と私。まったく感覚が違くて、同じお店に行ったのに「古い金庫の扉があったよねーあれなんなんだろうね」「え、そんなのあった?」「うっそ、かなり大きかったよ?!」「全然気づかなかったー」という会話がしょっちゅうあります。単にこうだが不注意な要注意人物なだけという証言もあったりなかったりしますが。elephant in the roomってなんで象なんでしょうね。初めて知ったのだけど、象好きなのでトキメキました。
ぎわらさん
書けないことを開き直るスタイル来た!って思いました。笑。お題がむずかしくてごめんなさい。それでも、わざわざ投稿していただき感謝します。私は実際に見た光景(巨大なワニの骨格標本が壁を這うように展示されている様子)をお題にしたつもりだったので、ぎわらさんが「ちょっと虚構性が強い」と捉えていらっしゃるのがおもしろいと思いました。6項目の中では、6の「春泥に盗塁を決めた」が好きです。春の陽に煌めく勝利の泥汚れ。
fenrirさん
じつは生卵喰鳥さんとfenrirさんのどちらに投票しようか迷いました。イメージがパッパッパッと切り替わる感じの作品好きなんです。アイスクリームの描写を読みながら、キューライスさんの「鴨が好き」という短編アニメーションのソフトクリーム屋さんを思い出していました。ソフトクリームって看板のかかった家に小銭を入れると壁の穴からソフトクリームを握った毛むくじゃらの手が出てくるんだけど握ったまま離してくれないの。「ベッドに俯せに寝転んで まるで今 私が 壁を這う鰐」の部分がとくに好きです。
るるりらさん
冒頭の「ひかりとかげが」を見た瞬間に、光と影の中にトカゲを見つけました。この書き出し、さすがはるるりらさん!って思いつつ、とてもとてもうれしくなりました。最初から最後までひかりとかげがうごめいてかけめぐって、暖かい春の庭のにぎやかさを見ているみたいでした。綺麗に整えられた行も、庭を囲む壁みたいでいいですね。動植物を慈しむ人の、やさしい詩だと思いました。
willさん
お題の取り込み方が一番スマートだと思いました。これ、willさんが考えたタイトルなんじゃないかなってくらいに。「うでを齧らせてみたら」と、突然現れたワニにいともたやすくうでを差し出すような〈わたし〉だから、あのひとをゆるしてしまったんだろうな。私個人としては、この〈わたし〉がひとりになることができて、よかったなと思っています。ゆがみにのみこまれたままでなくて本当によかった。
生卵喰鳥さん
落語調と言ったらいいのでしょうか。冒頭の語り口から好きです。歌舞伎の演目「外郎売」の長口上みたいで(薬売りの口上ですから効能の説明が不可欠なんです)。ウニのとげを抜いたらワニになるとか、「わにわにしながらとげを壁に刺すのをやめてくださいっ!」(とげを、の後ぐらいから急に語気を荒げる感じ)の台詞とか、もう大好きです。イメージも言葉もパッパッパッと切り替わってついでに口調も切り替わるから、もしかしたら話者さえも切り替わっているのかもしれない、そんな忙しなさがよかったです。
こうだたけみ
「壁を這うワニ」というお題の虚構性が強いというご指摘がありましたので、これは実際に見たものをお題にしたんです、という解説も含めて書いた文章。言葉遊びもリズム遊びもウケ狙いをも封印して、久しぶり真面目に書きました。インターメディアテク、おすすめです(一ファンによる宣伝)。
http://www.intermediatheque.jp
以上、今回もお付き合いいただきありがとうございました。
またここでお会いしましょう!