本と雨のはなし
これでお願いします。
宜しくお願いします。

  • かんな
  • 2019/07/01 (Mon) 21:19:11
本と雨のはなし
いかがおすごしでしたか ほんと おひさしぶりですね あなたのことを
得体のしれないエネルギーだという人の話を ほんと何度もききましたよ
人々はあなたに出会うと ほんらいの姿を取り戻すだの心洗われるようだの
わすれていたものを ほんきでみつめることができただのと称賛して居ますわ

とうめいにんげんのわたしが 本だのに掲載されるきっかけは
雨の日しかないと思うのですわ私の本体が水にあたることで輪郭が現れますもの
写真でも映像でもだめよあなたが本手を得ているのですスケルトンの私を描いて
メジャーにおなりなさいな 本でしか私が人に知られる術はない
じゃあじゃあと滝のような雨 本性があらわれるのは驟雨のときのみですわ
今は全身に雨の律動バチバチ 翻弄されてはなりません
刹那をのがしてはなりません 翻訳するのです素直に無と向き合うのです
忙しいひとが涙をながす時を失ってしまいそうです 翻意を促すのです

だめ
傘をわたしに かざしてはだめ
わたしに触れようとしてはだめ

ほら
雨がないと みえなくなったでしょ

でも
あたたかいわ あなたって
  • るるりら
  • 2019/07/02 (Tue) 12:46:15
本と雨のはなし
さらしを巻いたものがきた
これをほどいてほしいのです、といった
あーれー、といったかいわなかったかは秘密にしておく
ほとがれたさらしを残して去っていった
巻かれていたさらしだけが残されていた

さらしをほどいたものについてはなしをしよう
文字、を初めて目にしたほどいたものは読んだ
熱心にほとがれたさらしを読んだ
目を皿にして読んだ
または白眼にしたり寄り目にしたりして読んだ
文字、が何か分からずに読まれたさらしは捨てられてしまった

文字を知らないものに見られただけであった
読まれなかったわけではなかった
さらしはほどいたものからも取り残されたまま雨にぬれていた
はじめにさらしが、あーれー、といった場所には屋根がなかった
屋根だとおもっていた部分は青くなったり赤くなったり黒くなったり水を落としたりした
さらしには空を知らなかった

ある日、丁寧にさらしを畳んだものがいる
はじめに巻かれたときについた垢や
熱心に目をむけていたものが罵倒とともに飛ばした唾液や
ほこりや塵や
大地や太陽のにおいが一緒に畳まれていた

ぱらり、と畳まれた何かをめくるものがいた
そのものの指先が紙片から風を起こした
そのものの指先はタブレットに触れ優雅にページの残数を減らした
あーおもしろかった、とめくるものはいった
そのとき、はたと気がついた
さらしを巻いていたことに
さらしを巻いていたことに
  • 生卵喰鳥
  • 2019/07/02 (Tue) 18:43:42
本と雨のはなし
あー、こんだけあるとどれ注文していいかわかんないよねえ。じゃあこの本と……雨のはナシで。人気が高いから種類も多くてさ、全部頼むとほら、棚に入りきらないんだよね。うち狭いから。定番のやつと、新商品から二つ。それで限界かなあ。傘とか紫陽花とか、画数を増やすといいかもね。目新しくて。卯の花腐し? 変化球過ぎて一般受けはどうかな。五月雨くらいにしといたら? あと季節感も大事だけど、今が必要な人ばかりじゃないから、桜とか雪とかさ、返品しないで残しといてね。やっぱり大事なのは自分の好みじゃなくて、お客さんのニーズね。カリスマ店員だったら俺の棚とかってしても売れるかもしんないけど、理解されなきゃただの独りよがりだから。売れなきゃ意味ないでしょ。カリスマ性、カリスマ性ねえ。昔カリスマ美容師っての流行ったの知ってる? 知らないか。無免許だったやつ。あー職業特集とか組んでみる? 半年動いてないやつ返品して、その角で面陳して。それだったらやっぱりまとめて注文してもいいかもな。ん? さっきの、本と雨のはなし。特集。面陳の。
  • こうだたけみ
  • 2019/07/02 (Tue) 19:19:45

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