八月の汽水域
すこし、予告より遅くなりました。
汽水域は、海水と淡水の いりまじった水域です。

よろしくお願いします。

  • るるりら
  • 2019/08/01 (Thu) 00:04:24
八月の汽水域
朝顔のうつむくほうへ微笑んで表面麻酔をほどこす手つき


ゆりかごを揺らしてそこにいたはずのプランクトンの未来を思う


羊水のように流れて流されてこんなとこまで来てしまったの


初盆のかわりに花火を看取ってる 汽水域にも似たかなしみの


さよならの言葉はとても言えなくて子守唄だけ聴かせてあげた


  • ことこ
  • 2019/08/01 (Thu) 13:56:03
八月の汽水域
朝ごはんはダンスミュージックで
それだけで優しい声のまだ起き抜けのかわいらしさに
一掬いのバターをトーストにおとして、いってき
一滴まだ、しん、とした早朝をぬくめる珈琲のかおり

わたしたち
のルールブックにはこんな不意打ちみたいな朝についての
しょうさいな記述などなく、くらげ、みたいに漂ってしまう、八月、のダイヤモンドみたいに
かがやいてしまう心を、しずめて、あ、
オーブントースターの中で黒焦げになってしまったピアノ

ありふれたものだけを集めて
そのひとつひとつで作られた和音
たとえばベランダに植えた胡瓜が、茄子が、わたしたち二人の食卓に並び
その瞬間がまた次の年も繰り返されるということ
そういう和音
まだ鳴らせるか? ピアノ

淡水と海水が入り混じったようなわたしたち
わたしは少し背をぴっと伸ばして
きみのそんざいの分だけ強く、ありたいとねがいました
ダンスミュージックでは踊れないいのり

でもそれって結局おなじ塩水だよね
きみがわたしのそんざいの分だけ柔らかくなって
くしゃくしゃになって笑っている朝のひかり
  • あしや
  • 2019/08/01 (Thu) 16:09:47
八月の汽水域(投票対象外)
せいれいの かいせい と、囁いていたのはつけっぱなしのTV
それでも、精霊の快声に呼ばれたのだ 海をめざしていいんだよ
腹の底まで真っ黒い私は唇も塩分の味がする生きたままの生醤油だ
生臭い生き方を超えたきがする の は まずい 間違えている
まずは川をめざそう その先の海にかえろう 
真っ黒な私を海にかえそう
はじまる八月を下れ せいれいの かいせい say せいれいの かいせい
  • るるりら
  • 2019/08/01 (Thu) 16:52:52
八月の汽水域
  

ヒルギの影
  を映す水面
    に波紋が少し



ミナミトビハゼ
何見て跳ねる
Knock me please
やさしくほほ笑んだ
あの人は元気かね


オカヤドカリ
海より陸が好きですか
それでもいつか
海に帰るかね
それとも陸に帰るかね


左利きの
ハクセンシオマネキ
右は我にまかせておけ
360°
めんそーれ




ユウナの影
  を映す水面
    にも波紋が



    
  • AB
  • 2019/08/01 (Thu) 17:05:28
八月の汽水域
そこに行けば
何もかも分かる
そう信じて
ほの暗い闇の中を
一人で渡った

悲しさは
潮のように濃く
喜びは
波のように寄せる
何もかもとは一体
何のことだったのだろう

水を潜り抜けながら
感じたことのない
あなたの体温を思った

夢から覚める
そんな救いも
とうに諦めている
この先には
ただほの暗い闇がある

行こう
二度と戻れない道を
そして
おしまいにしてしまおう
頬を伝う滴の
その温かさだけを頼りに
笑おう
  • ネン
  • 2019/08/01 (Thu) 21:35:04
八月の汽水域
卓上カレンダーを差し替える。
背後から「八月だ〜!」って声がして、
「そうですねえ(なんか元気だな上司)」と応じる。
「アテレコしちゃった」
そう言われてようやく気づく。
「あはは、もっとテンション低いですねえ、もう八月かーって」
「こうださんならたのしそうに言うかと思って」

そうか、そんなふうに見えるのか私は。

以前よりふくふくと
健康そうな見た目に
三カ月置きの治療後
もれなくの体調不良
帰りたくない実家へ
父の墓参りする八月
七月の晦日の夜には
ウィルス性の咳一つ
肺炎にはならないで
ちいさく身体に祈る
私たのしそうですか
よかった、それなら

ハリボテ建物 ひっかかった丸い夜
顔を交換して ぴったりな中身
陰っているのは あからさまであるのに
歪んだ椅子は 半分に割れたまま

ひっかかって夜になって
もう飛べない飛べやしない
夜と朝の合間(い)に
朽ちた脚だって立つしかないから
  • こうだたけみ
  • 2019/08/01 (Thu) 23:08:44

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