アナグラムの夜明け
二度目の出題です。
どうぞ宜しくお願いします。

  • ネン
  • 2019/10/02 (Wed) 15:47:26
アナグラムの夜明け
スーパーの前の建設資材置き場の木は花水木だろう
木には 札が紐で結ばれている
のぞきこむと
「日水木」と記されていた
にっすいもくの木だけは、ごみの日では無い

日曜とは、花だ。
  • るるりら
  • 2019/10/04 (Fri) 10:08:32
アナグラムの夜明け
金木犀のかおりがゆっくりと剃刀をすべる
あらゆるものーそう、あらゆるものを新しくするために
血液とは違う方法を
僕らは読み込まなければならなかった
チラシの裏側に蠕く蛞蝓
コンセントの穴から滲み出るタピオカドリンク
それを幸福であると分かち合い
ベンチの腰掛ける少女に語りかける
背は足
みちたりたような
そんな顔をして
詰まった排水孔にクルクルとまわる
いくつもの 言葉をつまみあげる
金木犀のかおりが死んだよ
けさ、死んだよ

新聞紙にはさまれた
とても温かな朝食が供されるまで
僕らはきちんと膝を揃えて待たねばならない
読み替えられた時間と
僕らいがいの、かけがえのない
あなたという語彙を
  • 脈搏
  • 2019/10/04 (Fri) 13:58:49
Re: アナグラムの夜明け
あなたや、あなたのあいするひとやわたしで、
身体をすこしづつ、入れ替えっこしたい。
わたしや、わたしのしらないだれかを想いながら、
いまあなたの手の絡むその中指だけは、
本当にわたし以外のだれかに触れていて
わたしがあなたと信じて噛んだあなたの足の薬指は、
しらない場所の味がした。

指折り、かぞえながら、
横にならんで次の日を待っている。
わたしだけがこんなことを知っていて、
知りながら回した腕が誰の物なのか、
わたしはしらない。
しらないまま今日も、
いつかあすだった、あさをむかえる

朝焼けに照らされたゴミ捨て場のよこに、
センダングサが伸びていて
あなたと、あなたのあいするひととわたしの、
ぶかっこうな唇が、となり合って咲いている。
わたしやだれかのキスを
いともかんたんに「好き」と置き換えてしまえるあなたと、
どうしたっていっしょに、枯れていくために。
  • ゼンメツ
  • 2019/10/04 (Fri) 22:20:18

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