遠慮のかたまり
飲み会なんかで、大皿に盛られた料理の最後の一個に誰も手をつけないことを、関西ではこう言います。

  • ことこ
  • 2019/10/06 (Sun) 22:09:34
遠慮のかたまり
それを食べるのはいつもわたしだったのでわたしはいとも簡単に太っていった。
太ると足と足が擦れるのが不快なのでぜんぜん歩かなくなった。
筋肉が衰えて支えのなくなった膝は大縄跳びの後ズキズキと痛んだ。
痛い痛いと毎日のように泣いていたのはもう三十年ほど前のわたしだった。

ぶとるよ

父は、ちょっとからかうような軽い気持ちでそれを度々口にしたがそれはもっと違う意味でわたしの耳に響いていて実際はそんなたいして太っていたわけじゃないっていうのに「昔わたしは太っていた」と記憶を上書きしつづけ父を思い出すとき私はわたしになったりワタシになったり私は忙しいんだよ母を思い浮かべるときにはそんなこと決して起こらないのにね。

父が釣ったカワハギが食べたい。
死んだってそこにいるんだよ、
誰かが覚えている限り。
  • こうだたけみ
  • 2019/10/07 (Mon) 19:24:31
遠慮のかたまり
ポルターガイストを見ていたら
扉の聖霊が私に顕現して
眠りに入る我
寝入る直前の聖霊は
靴のジョークのようだった
南の隣地や寺へ
逃げ込む警官を保護するために
ヒムラーが派遣された
遠慮のかたまりのヒムラーは
大皿に盛られた料理の
最後の一個にも手を付けない
ポルターガイストを再び
見ようとして私は
逆立ちを止めた
  • ぎわら
  • 2019/10/07 (Mon) 21:42:14
遠慮のかたまり(時間外)
詩のかたまり
137Cs
みんな遠慮している
傘を差し銃を取らず
黒鉛を見て見ぬふり
彼女彼氏の存在を無視
歴史と記憶を忘れて
そこに残るあなた、遠慮
あと何日? イスカンダルへ 
充血した赤い地球のかたまり


  • 博喜
  • 2019/10/07 (Mon) 22:33:52

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