物凄く嫌味な妄想するけど、もしも文学部卒の女の子とつき合うことができたら、たとえば六月の昼下がり、以下のような会話をしたい(僕馬鹿なんで、どうしてもこんな風な会話になっちゃうんだけど、女の子のほうの発言は君たちのほうで脳内修正してね。批評もまた創造行為。もしも女の子のほうも馬鹿なままだったら、そりゃ君たちのせいだからね)。
六月。外は雨。美術館デートがお流れになり、出不精な僕はルンルン気分(男がいうとホント馬鹿そう)。さっそく PC 開いてここにアクセス、もう書く気満々でお題受け取る。
「これから、これから。三四郎、これから、門……」
PC は窓際に置いてあって、そのモニター越しに灰色の街並みが見えている。そして背後のソファで紅茶を飲んでいた彼女が、つぶやく。
「これから? うん? それから、ね」
僕はそのつぶやきを拾うことができるのだろうか? 僕の投稿は一体どうなってしまうのだろうか? そもそもこれは会話なのか? いや、一応文学がテーマだから、お茶、飯、風呂とは違うはず……。
漱石の三部作の題名が出てくるけど、たぶん彼女は国文科卒じゃない。やっぱ仏文? 僕おフランスは嫌いだけど……。そうだ。バルザックかゾラ辺りで古風な卒論書いちゃって、彼女に期待してたゼミの教授、ちょっとガッカリさせちゃってたりして……。あと女の子って書いちゃってるけど、僕的には元・女の子で全然オッケー。だって元・女の子って……。
- 安藤紅一
- 2020/06/09 (Tue) 18:16:06