火星人の森高さんは、
家星婦として、M-567の掃除にやってきました。
ここは太陽系の端っこにあるセレブの為の高級ペンションが立ち並ぶリゾート地です。
母星は海王星で、視界の片隅に太陽が見えますが、大気は存在しないので、あまり直視する事は推奨されていません。
宇宙線をカットする惑星ポリマー樹脂で出来たドームには宇宙ゴミがこびりついたり宇宙細菌が穴をあけようとするので、
森高さんのような資格持ちの清掃人が必要になります。
森高さんは盛高帽子の中に入れてきた、宇宙麦茶をストローで喉に流し込みながら、
宇宙モップで、ドームの表面をきれいにしていきます。
もっぷーもっぷーわたしのもっぷー♪
オリジナルソングを歌いながら一人せっせと掃除していると、
森高さんはトランスフォーメーションを繰り返し、いつの間にか手が8本の蜘蛛森高になりました。
蜘蛛森高さんは増えた手と伸びた腕で、ドームを効率的に掃除していきます。
クモ・モリタカはお昼ご飯の、宇宙おにぎりをチューブから喉に流して、海王星環見を始めました。
セレブたちはドーム越しに環を見る事しかできませんが、モリ・クモタカにはできます。
しかも、一仕事をしながらなので得も言われぬ充実感が伴っています。
土星ほど大きな環っかではありませんが、深い藍色を湛える海王星に纏う小さな環を見るのがモリモリたか子にとっては
まるで自分のように思えることから大好きでした。
そして、この仕事に誇りを持っているのは、
この★のゴミ掃除を出来るからという理由や生きがいになっていました。
すばらしいですね。
今日も今日とて地球は巡ります。
そして、それ以外の★もどこかしらをめぐっています。
森高さんはモリ・たか子として、色々な★をめぐりながらゴミ掃除をして、
そして海王星に戻ってきます。
皆さんは巡っていますか?
僕もまた、めぐっています。
- たばすこ
- 2020/08/23 (Sun) 07:18:08