鬼の豆ください
これでお願いします。

まだ節分には少し早いのですが。今年も二月三日には、子ども達が「鬼の豆くださーい」と言って、お菓子を貰いに商店街のお店を回るんだろうなあと思っていたら、これをお題にしたくなりました。
ご自由にどうぞ。

  • Erntos
  • 2016/01/28 (Thu) 20:53:39
鬼の豆ください
顔を引きちぎって分け与えるヒーローになりたくない
彼は所詮アンパンだから
かと言って金で買えるものを分け与えるヒーローにもなりたくない
でも、その金が自分が働いて得た金ならいいのか
いいの、か
そうやって誰かから教えられたわけではなく自分で選んだこと
じゃあ、お前が働く理由は何
お前が働く意義は何
お前だけが満足してはいないだろうか
そう問い続けることが必要だが
それに答えを出さないというのは卑怯だ
だけど
ぼくは
ぼくのなにもかもの一部でさえも
だれかに分け与えてしまうのが怖い
優しさだってありがたし迷惑だろう
ぼくだけが理解したい世界に生きたくはないが
お金を稼ぐということは
ぼくの欠片を誰かに与えるということであって
その対価を得ている
お金には交換価値しかなく
それはつまり手段でしかなかったが
いつからか目的となってしまった
それならお金をくれてやる
お前の懐じゃなくて
お前というお前全部にお金をくれてやるよ
それが大人になるということ
ぼくはきみなんかに全くお金を使いたくない
きみとの間にうまれる可能性にだったら
すべてのお金をくれてやるよ
  • すずむし
  • 2016/01/28 (Thu) 21:10:32
鬼の豆ください
台所の引き戸が
強く閉められると
暗闇でテレビを見る
女が一人南西の部屋で・・・

引き戸にも部屋にも
免疫用にまかれる
鬼の豆は効果絶大なので
すぐ売り切れる

鬼の豆くださいと
スーパーに並ぶ主婦たちは
免疫不全症候群なのか

それは分からぬながら
ニスで塗られた木が格子を成す引き戸は
十五夜に瓦解する定め
  • ぎわら
  • 2016/01/28 (Thu) 21:36:31
鬼の豆ください
鬼の豆は大豆である
ダイズを焙烙で炒って
少し焦げ目が出来たかなと
感じた頃合いに火から下ろす
こりこりしてとても美味しい
鬼に食わすなんてもったいないよと
豆まきの前にこっそり自分の分を取り分ける
鬼は外 福は内のかけ声の下に豆は転がる
もったいないから外には少ししか撒かない
鬼には入りやすい家だなと
思いながらも
入ってもあまり良いことは無さそうだ
隣家の方が金持ちのようだ
盛大に鬼は外のかけ声に鬼たちはみんな集まってきて
美味しい豆を痛そうな顔をして捕り集め一口で飲み込んでいる
彼らは贅沢に慣れているのだ
福は内の我が家は鬼は居なくなり
貧乏神だけが福の神の装束を着てやって来た
そんなこと知らないわたしたちは
餓鬼となって昼間念入りに掃除した畳の上の豆を拾う
無くなったら、タンスの脇やら、奥まったところまで念入りに探し回る
万一ひとつでも残っていたらねずみに食われる
ねずみは鬼よりも始末が悪い
天井裏で騒いだり台所の食料を狙う悪い奴だ
ねずみ入らずにいちいち入れるのは本当に面倒だ
猫いらずを台所の片隅に置いているが
利口な奴らは決して食べない
ねずみを追って入り込んだ隣家の猫が食べたりして
面倒なことも起き上がるから
猫いらずも使いにくい
ねずみの食べられるものを無くすのが一番だ
その上で猫を飼う
鬼のことなんか気にしている暇が無いから
貧乏神はつまらないから呆れて出ていく
本当の福の神は子供たちで
猫を抱いて嬉しそうに隠してある炒った豆を
ボリボリ食べる
猫は食べようとしないで喉をごろごろ鳴らすだけ
至福の時とはこの時だと本当の福の神を満足して
お帰りになる

  • aoba_3k
  • 2016/01/28 (Thu) 23:10:56
鬼の豆ください


いりません
鬼の豆は
魑魅魍魎がうまれたらこまりますから

かわりに
木の豆をください
キスすると檸檬の味がするという

王の豆もください
瑪瑙になるという

ほんとは
ただの/まめをください/まめをくださ/いま/めをください

魔をのりこえるための正しい
めを


  • 阿ト理恵
  • 2016/01/28 (Thu) 23:27:13
鬼の豆ください
ちらちら雪の降る夜
聞こえてくる幼い声
「おにはーそと、ふくはーうち」
手作りの
にこにこ笑った鬼の面
被った父に
豆を投げつける

目に見えないものは怖い
それに怯えて生きていくのは
ひどく難儀だ

少しでも肩の荷を下ろそう
隠れた者に
豆をくれてやるのだ
にこにこ笑って
一緒に豆を食おう


  • こはらあき
  • 2016/01/29 (Fri) 15:58:13
鬼の豆ください
なんの魂胆かしらないけれど 鬼って悪い奴じゃなかったよ
たましいにも ふたつある魂と魄って書くんだって
どうやら 魂は精神を支えていて、魄は肉体を支えているらしいよ
どちらにも 鬼がいるよね 鬼は悪い奴じゃあないかな

このあいだ鬼から電話があった
節分にお邪魔しても良いでしょうか?
「最近の鬼は礼儀正しいんですね」と 私がいうと
「ご時世ですからね。アポとらないと 家の中にいれてもらえないんですよ」
って 鬼さんがね、 ご丁寧に事前に挨拶にいらしたときに 鬼さんが言ってたんだよ
鬼が精神と肉体を支えているって 話はね。そんときに教えてもらったの。

鬼が言ってくれたんだけどね
精神が汚れていると 誰かに悪口を言われたとしても
気にする必要はないんだってよ
そもそも精神を支えているものなんて すっかり現代では なくなってて
汚れるも汚れないも 精神は身体に宿ってないらしいよ
自由気ままに そのへんを漂っているだけなんだってさ
だから精神が汚れているかなんて 今の世の中では 鬼ですら解らないんだってよ

鬼としては危機感を持っているだってさ
そんでアポをとって 
「おねがいしますから 豆をまいてください」ってお願いして回っているようだよ
豆は心の畑の肉だから まかないと育たないらしいよ

そういえば「精神」って なんだろね。たしかに良く考えると わからんわ。
  • るるりら
  • 2016/01/29 (Fri) 17:20:03
鬼の豆ください(投票対象外)
鬼の豆くださ~い! と言いながら、
お子供衆がやってきた。
あいにく鬼の豆はないと言って、
追い返そうとしたのだが帰らない。
仕方がないから、
たまごボーロやプルーンミックス果汁グミをやって、
帰れと言ったのだが帰らない。
どうしても鬼の豆じゃないといやだ!
みんな駄々をこねている。
私は土下座して、
ひとえに私の不徳のいたすところであります、と謝った。

鬼の豆くださ~い! と言いながら、
またお子供衆がやってきた。
私が土下座して、
ひとえに私の不徳の…と謝ろうとすると、
お子供衆の代表(みのり幼稚園)が言うには、
どうもこれはぼくたちの言い方にも問題がある、
節分に「オニはソト、フクはウチ」と言ってまく豆ください、と言うのならばよい、
しかし単に、鬼の豆くださ~い! では、あたかも、
鬼自身が所有しているヒヨコ豆(そんなものはない)をくれとか、
鬼の身体にできたマメやらイボやら(そんなものはない)をくれとか
鬼スタンプくじ付きの豆(そんなものはない)をくれとか、
鬼カードポイント5倍デーの豆(そんなものはない)をくれとか、
鬼農園で栽培したウズラ豆(そんなものはない)をくれとか、
そういった要求をしているかのようである。
ないものをくれと言われるのは、まったくもって理不尽なこと。
ぼくたちはごくフツーの大豆を貰えればいいのだ。
したがってこの曖昧な言い方について、
今後は是正していくことにやぶさかではない。

これを聞いて、
私は土下座の姿勢のまま
まことに行き届いた御配慮をいただき、
わたくし、感涙あいムセぶ思いでございます、と謝辞を述べた。

  • Erntos
  • 2016/01/29 (Fri) 19:33:15
鬼の豆ください(時間外)
鬼の豆くださいなって鬼の居ぬ間に入りません鬼炒豆ン
タクラマカン砂漠さばくとサクサクと企まん骨は砂になる
万歩計時計家計を外したら系図正しきくすり、でござる
あなた笑っていなさいって言ったっけしたっけグルテンフリージア

※締め切り時間ピッタリに投稿できたのに、操作を誤って削除してしまいました。くやしー。
  • こうだたけみ
  • 2016/01/29 (Fri) 21:05:27

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