夢みる宝石
今回のお題は、私が最近読んだ小説のタイトルから「夢みる宝石」です。
どうぞお気軽ご参加ください。
かがやける宝石のように賑わうことを夢みながらーー

  • 2023/01/20 (Fri) 22:10:21
夢みる宝石(投票対象外)
ある朝の水の輝きを固めたような宝石は
夢みるならば誰かの夢をみる
水面に波紋を作る最初の一雫のように
始める人の

真夜中に燃える火を固めたような宝石は
夢みるならば何かの夢をみる
空へと昇る煙の筋が見せる幻のように
失った物の

ある夜の月の輝きを固めたような宝石は
夢みるならば何処の夢をみる
静寂の中で誰かの呼吸を感じるような
彩られた庭

踊りませんかと誘った日のような宝石は
誰とのどんな時を夢みている
独りでいる時間を求めるほど賑やかな
忘れ得ぬ時

土に還るいつかまでまだまだ遠い宝石は
夢みている
  • 2023/01/25 (Wed) 18:23:48
夢みる宝石
砂漠の薔薇はオアシスの夢をみる
何処に行った キャラバンの漢たちよ
葡萄の美酒と 花のかんばせの酒姫たちよ
今はただ月の光が砂丘のみ照らすよ

砂漠の薔薇がバザールの夢をみる
其処に在った 人々の賑わいよ
西の海の真珠と 東の海の珊瑚よ
煌めく金銀 瑠璃に玻璃よ

肌も言葉も奉じる神も
すべて異なる旅人たちは
命を賭けて価値を運ぶよ
交わされた約束と信頼の証よ

砂漠の薔薇の夢みる日々は
陽に灼かれ 朽ちて果てたよ
人々の憩うナツメヤシの木陰は
今はもう ないよ
  • まいきー
  • 2023/01/26 (Thu) 19:08:57
夢みる宝石
年越しは
bonobosの「.jp」を聴きながら起きていて
初日の出の時刻を調べ
三十分前にはベランダに出てみたのだった
空はもう白んでいたけれど
方角的に見えないから焦る必要もなくて
一瞬で冷めたマグに湯を注ぎ足しに戻り
やっぱ寒いなあ、と思ったりした
元日なのにゴミ収集車が通り過ぎて
男の子が犬に走らされて行った
その延長線上に静まり返った家々を見て
あ、燃えている
と思ったのだった

昇りかけの朝陽を反射して
ビルの窓が燃えるようなオレンジで
よく見れば他の建物も光っていて
静かなのに賑やかで
明けたんだなと思った

夢は眠らなければ見られない
宝石が消えるのを見届けたから
つづきは布団を被って
目を閉じて待つことにした
  • こうだたけみ
  • 2023/01/27 (Fri) 00:32:52

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