年越しは
bonobosの「.jp」を聴きながら起きていて
初日の出の時刻を調べ
三十分前にはベランダに出てみたのだった
空はもう白んでいたけれど
方角的に見えないから焦る必要もなくて
一瞬で冷めたマグに湯を注ぎ足しに戻り
やっぱ寒いなあ、と思ったりした
元日なのにゴミ収集車が通り過ぎて
男の子が犬に走らされて行った
その延長線上に静まり返った家々を見て
あ、燃えている
と思ったのだった
昇りかけの朝陽を反射して
ビルの窓が燃えるようなオレンジで
よく見れば他の建物も光っていて
静かなのに賑やかで
明けたんだなと思った
夢は眠らなければ見られない
宝石が消えるのを見届けたから
つづきは布団を被って
目を閉じて待つことにした
- こうだたけみ
- 2023/01/27 (Fri) 00:32:52