阿ト理恵 ずいぶんストレート
こうだたけみ トロピカル
白 すごくいい
ぎわら ドワーフ多め
博喜 かなりかため
田代さん かなり完成度高め
北村さん パチは状況じゃなくて場所なのかこれと思うがこれ最高に良かった
大村さん 間に合ってよかった、かっこいい、しかしこれほんとに好きな場所?
まいきー かなりいい
こ度のお題は1997年にnifty現代詩フォーラムに投稿したもののワンフレーズ切り抜いて加工したもので、もともとはこんな詩だった。
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01478/01552 CZD12057 (^_^) ここがわたしのすきなばしょ
( 1) 97/11/08 21:38
私の好きな場所
ここが私の好きな場所
小高い丘にあるベンチ
ゆっくり石段をのぼっていって
恋人とあるく道 とてつもなくながい坂
ここが私の好きな場所
春には桜が舞う蟻がはう
はだかになるとくすぐったい_木
ここは私の好きな場所
だれにでも_ある_気高い_所
すぐ_わるい_きもち_なる_ことがある
電車にのれば二分でつく場所
わざとゆっくり 二人であるく
わざとゆっくり はなしをする
ここが私の好きな場所
枯れている芝をわざわざ選んで
ねっころがる所
夏には気違いのおじさんが通る
いつも私の好きな場所
そこから見える店がある
軒下に きれいな虹がかかる店
「虹って字はむしみたいだ」
今日も私の知らない場所で
だれかがこんなことをいう
今日も私の知らない場所で
だれかがそんなことをいう
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もえぎさんがニフティのころのログをもってて、何年か前にくれたやつ。もえぎさんありがとう。
自分は散文に興味があったので、特に映画とか漫画からインスパイアされる事が多く、漫画家の高野文子さんとか、デビットリンチを足して2で割ったようなものを、気軽に作れるのが自分にとっての詩だった。丁度阿久悠が映画一本分をテーマに歌詞を書いたみたいなことがその頃のモチーフだったきがする。
近代の詩のインディーズぽい流れは中原中也辺りまで遡ると具合が良くて、語呂としては都々逸みたいな語呂を使う。5,7でつづられるのが国のフォーマルな詩歌だとすると、7,5のリズムはいわゆる倒置が起こっていて、これはブルースの進行で倒置が起こるのと似てる庶民のインフォーマルなコードみたいなものだ。基本ブルースの進行のようにこの語呂にのっておけば、今で言うフローが自然と生まれ、ライムも前にすすむというもの。1拍ずつ足して8.6でもさまになる。最近だと発明王の歌とか、枚挙に遑はない。丈夫な足場があれば、大分ふざけたことも、形にはなっていくのかなと思う。
今回はリミックスみたいな趣旨でこんな事をしてみたが、選んだフレーズ自体、今でも大分好ましい。好き、という言葉はまずポジティブだし、場所、も至る所に存在する。それをよくまあこんなにいろいろ書いたもんだと感心する。
代名詞がそこだかここだかこれだかで2秒悩んだが、こういうのは場の雰囲気と気合いだ。
97年当時、気の合う仲間たちはすでにいて、これを今で言うサスティナブルなプロダクション制にするため、あらすじとか描写とか、全部任せられるような人を当時は探していた。できれば調査と発案だけやりたい。楽しいから。しかし、たいてい当人のロールモデルは作品を発案から出荷までワンオペしてるから、分業なんて考えてないから断られるんだが。
その時期から少ししてから、いとうちゃんが確かにインターネットで24時間締切の掲示板みたいなのをやっていた気がする。奇特な人たちがいるもんだと思ったが、この掲示板がそれを形を変えてまだやっていたのもということだそうで、感慨深いし、つい昨日の事のように思えるし、タイムスリップした気持ちになった。いとうちゃんエラい。
今回客演でお呼びしたアトさんはそのころ知り合いになった詩の人で、作風はパッチワークみたいなことをしているから、今回作ってもらったものとはちょい違う。本人に許可を貰ったので当時の詩を堪能してくれ。
00644/01018 HQD02354 阿ト理恵 はさみとアロンアルファがやってきて/阿ト
( 1) 97/05/20 12:00
はさみとアロンアルファがやってきて
阿ト理恵
はさみが空から降りてきて
わたしの睡眠を切り取ってゆく。
枕元には
冷凍月の雫
が置かれていた。
電子レンヂでチンして
飲んだなら
夜の番人と月の話が
聴こえてきた。
――それでは
――ええ
アロンアルファが土の中から昇ってきて
わたしに睡眠を張り付けてゆく。
ソファの上に
乾燥陽の粒
が置かれていた。
熱湯で戻して
食べたなら
昼の使者と太陽の話が
聴こえる夢をみた。
――それでは、そろそろ
――ええ、そろそろ
はさみとアロンアルファは
二度と姿を見せず
わたしは自分で
チョキペタチョキペタ
地球について考えはじめた。
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以上
カットアップ≒ピックアップという技法が世の中にはあるみたいなのだが、そういうものより有機的なつながりを大事にしている作風なんだと思う。
このパッチワーク技法は本人が自称してたのか忘れだが、意味もつなげてたりするんで、これをやってみたことは無いが。興味があればやってみるといい。
こうださんにはここ数年朗読してもらってて(その縁でせんだってから勝手にここにのりこんで変な文書いてるのだが)書いたものは真面目に読んだことはなかった。今回察するにパッチワーク似たようなことをしている気がする。こっちはクラフトワークとでも言うか、ミニマルで細部にこだわりがあり、指で触ったら動きそうだ。アトさんよりは、もうすこし言葉同士の距離感とかそこでの屈折率みたいなものを使っているようにも思う。
ちなみにこの距離のすっとばしはchatgpt(トランスフォーマー)でも使っている。そう考えたら、2人ともずいぶんとコンテンポラリーだな。
他にお声掛けした人もなんか書こうと思ったがよく出来てるし説明の必要も無いかもな。半プロ。
伝え方は人それぞれだし、他人のやり方がどれほど参考になるのかは未知数だ。
タモリが徹子の部屋で言ったように、いまを新しい戦前ととらえて、終わらない戦前を願い言葉を積み上げていくのも一興かもしれない。
- A改め岡
- 2023/08/05 (Sat) 07:26:22